「数が足りない」と聞き...足利大付属高機械科3年生が「箱わな」製作 猟友会「よくできている」

完成した箱わなと製作に当たった生徒ら

 【足利】足利大付属高機械科の3年生12人が本年度、同校の課題研究で初めて製作に取り組んだイノシシなどの野生動物を捕獲する「箱わな」が完成した。8日には県猟友会の会員が同校を訪問し、出来栄えを確認した。

 同科の山田睦郎(やまだむつろう)非常勤講師の発案で製作した。佐野市内で獣害駆除に取り組む県猟友会阿蘇支部新合分会の会員から「市から借りるだけでは数が足りない」と聞き、課題研究のテーマにすることを持ちかけた。

 地域貢献を目的とした研究内容を設定したのは、今回が初めてという。生徒たちは昨年4月から今年1月まで、作業に計約60時間を費やしてきた。

 完成した箱わなは高さと幅がともに103センチ、奥行き210センチ。同市から借りた箱わなをもとに書き起こした図面に沿って、素材や部品を加工し組み立てた。

 完成品を見た同分会の会員は「よくできている」と評価し、利便性向上のために軽量化を要望した。今春に卒業を控える生徒に代わり、教員が手直した後、同分会に寄贈する。

 下田(しもだ)フェルナンドさん(18)は「みんなで協力して一つの物を作る快感を覚えた」、山藤冬麒(さんどうとき)さん(18)は「軽量化は自分たちでは気付けなかった視点。改善し使ってもらえるなら大満足」と話した。

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