雪室貯蔵で糖度2倍 ジャガイモ掘り出し本格化 青森・黒石市

雪室からジャガイモを運び出す伊藤さん
雪室の中でジャガイモを確認する伊藤さん
「じゃが甘くん」の商品名で売られるサニタスガーデンの雪室ジャガイモ

 青森県黒石市の農業生産法人「サニタスガーデン」が取り組む雪室ジャガイモの掘り出し作業が、今月に入り始まっている。約2カ月低温の雪室で貯蔵することで甘みが増したジャガイモを消費者に届けようと、スタッフたちが作業に励んでいる。

 サニタスガーデンは、標高約750メートルの同市沖揚平地区で高冷地野菜を栽培。糖度10度と通常の2倍ほど甘みが増すという雪室で熟成したジャガイモを「じゃが甘くん」の商品名で販売している。今期は昨年12月、同地区の野菜出荷場駐車場に枠を組んでシートをかぶせるなどして雪室を作り、キタアカリやメークイン、こがね丸など7品種約30トンを貯蔵した。

 19日は、春を思わせる陽気の中、スタッフ2人が作業。建設用機械などで雪室の出入り口を開け、中から次々と袋に詰められたジャガイモが入った箱を運び出し、選別や袋詰めなど出荷の準備を行った。

 同法人の伊藤暢行さんは「12月は雪が少なく不安だったが、雪室ができて安心した。甘みが増したジャガイモをフライドポテトや、じゃがバターなど素材の味を楽しめる料理で食べてほしい」と話した。

 作業は3月中旬まで続き、ジャガイモは県内のイオン6店舗やマックスバリュ4店舗、同法人ホームページから購入できる。

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