中世の情景とともに 史跡根城でえんぶり公演 青森・八戸市

大勢の観客の前で舞を披露する中居林えんぶり組の太夫=19日午前、八戸市の史跡根城の広場

 青森県八戸市で開催中の八戸えんぶりは3日目の19日、史跡根城の広場で18日に続き「史跡根城えんぶり」が開かれた。復元された中世の建物を背に、中居林えんぶり組のメンバーが摺(す)りや祝福芸を披露し、来場者約320人から大きな拍手が送られた。

 えんぶりの公演は、本丸の主殿前と鍛冶工房前の2カ所で計約1時間にわたり行われた。来場者は、烏帽子(えぼし)をゆったりと振って摺る太夫や、松の舞やえびす舞などの祝福芸を披露する子どもたちの姿を写真に収めようと、盛んにシャッター音を響かせた。

 八戸えんぶりを毎年見ているという同市の前田貞直さん(73)は「何回見ても飽きないね」と笑顔を見せた。同組親方の古里淳さん(64)は公演後の取材に「(史跡根城の)広場で舞えるのは光栄なこと。たくさんの人が見に来てくれてうれしく思う」と話した。

 八戸えんぶり最終日の20日は、市庁前市民広場で一般公開やかがり火えんぶり、マチニワでえんぶり公演、更上閣でお庭えんぶりが開かれる。

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