アンカーで奮闘の遠藤航、リバプールの極上パフォーマンスを引き出したとして単独最高評価を与えるメディアも! マク・アリステルとの共存問題も解決!?

現地時間2月17日に行なわれたプレミアリーグ第25節で、リバプールはブレントフォードを4-1で下し、首位の座をキープしている。

35分にディオゴ・ジョタの落としから独走したダルウィン・ヌニェスがループで先制点を挙げると、55分にはモハメド・サラーの狙いすましたラストパスを受けたアレクシス・マク・アリステルが巧みにマーカーをかわして加点。68分にもサラーが相手DFとGKを翻弄して3点目を挙げ、75分に1点を返されたものの、86分に守備陣を崩してのコディ・ガクポのゴールでダメを押した。

快勝を飾った敵地での一戦で、遠藤航は今回もアンカーとしてフル出場。データ専門サイト『WhoScored.com』によれば、ボールタッチ91回(両チーム2番目)、シュート1本(枠外)、パス79本(最多)、空中戦3回(勝利2回)、タックル2回(成功1回)、クリア1回、インターセプト1回、ボールロスト1回、ファウル2回(67分に警告)というスタッツを記録した彼は、自身のSNSで「重要な勝利」とチームの勝点3獲得を喜んだ。
現地メディアの報道では、日刊紙『THE Sun』は、「元シュツットガルトのスター選手が先発出場したプレミアリーグの試合では、まだリバプールは一度も負けていない」と伝え、「昨夏に1600万ポンド(約30億円)でリバプールと契約した遠藤は今季これまでのところ、チームのトップクラスの成功に、驚くほど重要な役割を果たしていることを示した」と称賛している。

一方で同メディアは、遠藤が22分の攻撃時、右からのクロスに対してニアサイドで明らかにハンドを犯しているにもかかわらず、マイケル・オリバー主審が笛を吹くことなく、そのままプレーが続行されたことに注目し、「サッカーファンは信じられない気持ちになった」「1986年メキシコ・ワールドカップ(準々決勝イングランド戦)で悪名高き『神の手ゴール』を決めたディエゴ・マラドーナと比較する者もいた」と綴った。

『Mirror』紙は、直接遠藤には言及していないものの、このところ話題となっている中盤の起用について、「マク・アリステルは、前所属のブライトンのときよりも深い位置でしばしば起用されているが、幾つかの強制的な変更が彼の攻撃的な本能に良い兆候をもたらすかもしれない。この世界王者は、カーティス・ジョーンズの負傷でライアン・フラーヘンベルフとの交代を余儀なくされた後、前に押し上げられ、チームの2点目のゴールを挙げた」として、“最適解”が見つかったことを示唆している。 そして『Daily Mail』紙は、リバプールの快勝を伝える中で、「このパフォーマンスを生み出したのは、どのMFだろうか?」との見出しを打ち、10点満点の採点で遠藤に単独最高の「8.5」を付与。寸評では、「体格的には劣っていたにもかかわらず、屈強なブレントフォードの面々と対等に渡り合った。彼は中盤の深い位置において支配的であり、決して動揺することなく、常にコントロールを保ち続けた」と、背番号3のプレーを総括した。

スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』はチーム2番目となる「7」をつけ、同採点としたサッカー専門サイト『90min』は「あらゆる手段を駆使して、相手のプレーを崩した。困難に直面したリバプールはしばしば、彼のエネルギーを必要とした」と、遠藤の貢献度の高さを強調している。

リバプールの地元メディアでは、日刊紙『ECHO』がチーム最高タイの「8」という高採点とし、「前半は攻撃時にハンドを犯したが、セカンドボールを拾う作業に多く取り組み、リバプールが試合を支配し始めると、その影響力を増していった。重要なチームの2点目では、起点となるボール奪取を見せた」と、日本人MFの90分間を振り返った。
総合メディア『Liverpool World』は、「試合全体を通してチームを牽引し、バックラインのカバーもこなした。後半にブレントフォードのカウンターを止める際には、チームのために身を挺してプレーして警告を受けた」とポジティブに評し、採点ではチーム2番目タイとなる「7」を与えている。

最後に、同採点の「7」をつけたクラブの専門サイト『THIS IS ANFIELD』は、「全体的に、かなり効果的なプレーを見せ、可能なタイミングでボールを奪い返し、必要な時にボールを動かし続けた。そして必要に応じ、あらゆる手段で相手のプレーを崩した。(元リバプールで現アル・イテハド所属の)ファビーニョを彷彿とさせる明白なショルダーブロックで警告。ここでファビーニョなら、信じられないほどの笑顔を浮かべてそれをやり過ごしたかもしれない。この点では、まだ少し遠藤には改善の余地があるようだ」と綴った。

構成●THE DIGEST編集部

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