なでしこ、北朝鮮との五輪予選第1戦はサウジ開催濃厚「通達があった」

日本サッカー協会(JFA)の佐々木則夫女子委員長が20日、取材に応じ、24日に開催されるパリオリンピック2024女子サッカーアジア最終予選第1戦の開催地がサウジアラビアのジッダになることで最終調整に入ったと明かした。

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)とのホームアンドアウェーで行われる最終予選だが、北朝鮮ホームとして開催される第1戦が開催地の選定で難航。平壌開催で当初は日本も交渉していたが、相手が北朝鮮ということで、日本政府への説明も並行して「繊細にやっていた」(佐々木委員長)部分もあって、定期便がないことやセキュリティの問題などにより、日本と北朝鮮の交渉が停滞。進捗が共有されていたアジアサッカー連盟(AFC)が途中から第3国開催を提案した。結局は中国の大連での開催で話が進んだが、「中国とDPRコリアで問題があったのか、AFCと問題があったのはわからない」(佐々木委員長)中で大連での開催もとん挫。AFCからの提案であったジッダ開催で話が進むことになった。

AFCからは19日に「ジッダ開催で積極的に進めていると通達があった」(佐々木委員長)とのことで、そこからビザや飛行機の手配をJFAは急ピッチで進行。選手たちは20日夜、「座席なども余裕を持てるように」するため、経由地は異なるものの、到着時刻もほとんど差がない2便に分かれて出発予定で、開催地が決まらない中、イギリスでチーム合流を止めていた未合流の4選手も、経由地で合流できる予定となった。

ここまでの交渉の中で田嶋幸三JFA会長や宮本恒靖JFA専務理事らも、積極的に事務方含めてAFCサイドにアプローチをしたものの、なかなか決まらなかったこともあり、「遺憾の意を込める部分もあった」とのことで、AFCへの抗議や意見については「今後の反省にもなるだろうが、粛々と進める」(佐々木委員長)こととなった。一方で戦う選手・スタッフに対しては迷惑がかかったこともあり、田嶋会長自ら宿舎で選手に説明したようで、「前向きに運んでいる」とのことだ。

しかし、気になる点も。最終的なジッダ開催決定の通知レターは、まだAFCからJFAには届いていないことを明かした佐々木委員長。スタジアムについては、日本男子代表が11月にワールドカップアジア2次予選んでシリアと戦ったスタジアムが有力な一方、キックオフ時間は未定。すでに宿泊施設や練習場などの確認のためにスタッフはサウジアラビアに向かっているとのことだが、まだまだ不透明な部分もある。サポーターの受け入れについてなども現状では「細かい点はわからない」としている。佐々木委員長は「AFCからの通達があったから準備している。行って、(北朝鮮が)来なかったら、また大きな問題になる」とけん制している。

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