輸出が好調な山東省栄成市のキャンピングカー、ライブコマースや海外倉庫を活用―中国

山東省栄成市のキャンピングカーの輸出が好調となっている。

「皆さまが今ご覧になっているのは、当社のポップアップルーフ式キャンピングカーです。車内空間はコンパクトで、ご夫婦でのお出かけやシングルユースに最適。シートは折りたためます」。山東省栄成市のキャンピングカーメーカーの展示ホールで18日、販売員がショート動画共有アプリ「抖音(中国版TikTok)」のプラットフォームを利用してライブコマースを行っていた。中国新聞社が伝えた。

キャンピングカーメーカーの山東星羽房車製造の楊錫福(ヤン・シーフー)総経理は、「当社はウェブサイトや個人メディアプラットフォームなど複数のオンラインチャンネルを通じて製品をPRしている。春節(旧正月、今年は2月10日)連休が終わって速やかに生産・販売を再開し、すでにオンラインで何度もライブコマースを行った」と述べた。

栄成市は中国最大のキャンピングカーの生産拠点であり輸出拠点だ。一定規模以上(年売上高2000万元以上)のキャンピングカーのメーカーが10社、部品メーカーが50数社あり、自走式、牽引式、キャンプ式、テント式など複数タイプのキャンピングカーがある。メーカーはオンラインではライブコマースの発展に大いに力を入れると同時に、オフラインでは「海外倉庫」をレンタルして国際市場の開拓を進めている。

別のキャンピングカーメーカーの栄成康派斯新エネルギー車両の生産現場では、作業員が輸出の注文に間に合わせようと、新型キャンピングカーの組立作業を急ピッチで行っていた。完成車の一部は栄成税関の監督管理検査を受けた後、海上輸送によって同社が韓国に設立した海外倉庫へ送られる。

海外倉庫は越境ECで輸出を手がける販売業者が、海外のバイヤーから近い距離にある場所に設立する倉庫・貯蔵・物流ノードで、海外における品物の貯蔵・保管、流通・加工、現地での配送、アフターサービスなどの機能を担う。

栄成税関石島港駐在事務所宅配便監督管理科の林海洋(リン・ハイヤン)科長は、「キャンピングカーという『大物』は、越境ECルートによる輸出によって思いがけない優位性を備えている。従来のモデルでは、キャンピングカーの輸出は順に受注、材料の調達、製造、輸出などのプロセスをたどる必要があり、ややもすれば数カ月かかっていた。越境ECの『海外倉庫』は新業態として、過去の受注状況と消費傾向を踏まえてあらかじめ製品を輸出し、時間のかかる製造・物流プロセスを前倒しして、大型消費財の『見たらすぐに手に入れられる』ことを実現した」と述べた。

ここ数年、中国の自動車輸出が非常に好調だ。中国のキャンピングカー輸出の「売り上げトップブランド」としての栄成製品は、23年の輸出額が前年同期比16.3%増の16億8000万元(約345億円)に達した。主な輸出先はオーストラリア、ニュージーランド、米国、韓国、日本などの国・地域だ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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