10年越しの音源化! シンガーソングライター近藤夏子 子どもへの愛綴った『この世に君が生まれて』

近藤夏子のニューシングル『この世に君が生まれて』

ラジオパーソナリティやタレントとしても活躍するシンガーソングライター近藤夏子のニューシングル『この世に君が生まれて』が、1月31日(水)にリリース。自身が担当するラジオ番組『Clip』で楽曲に込めた思いについて語った。

シンガーソングライター近藤夏子のニューシングル『この世に君が生まれて』

ニューシングル『この世に君が生まれて』は、母親から子どもに向けたラブソング。制作のきっかけは、10年前、近藤がレギュラーを務めていたテレビ番組に寄せられた“ある”視聴者からの依頼だった。その内容は、「障がいを持って生まれた我が子に、『あなたは愛されて育ったんだよ』というメッセージを伝える楽曲を作ってほしい」というものだったという。

依頼者である母親と子どもに実際に会いに行き、一日中密着したという近藤。当時について、「もちろん、1日でお母さんの気持ち全部を理解することなんてできないけど、できる限り話を聞こうと思って。『今どんな気持ちでいるのか』『どんな思いで育てているのか』など、いろいろな話を聞いた」と振り返った。

特に印象に残っているのが、母親が「(障がいを持って生まれたのは)自分のせいだ」と後悔している姿だった。

「『ごめんね、ママのせいだよね。ごめんね。と言いながら育てているんです』と話す姿を見て、『こんなに悲しいことある?』と思ったの。『あなたのせいじゃないよ』と言いたかったけど簡単には言えないし、私が言ったところで『ごめんね』の気持ちがなくなるとは思えなかったから。だから、とにかく私にできることを一生懸命やろうと思って。『私にできることは依頼してくれた曲を作ることだ』と思って作ったのが、この曲なんです」(近藤)

制作以来ライブでは歌い続けてきたが、10年越しに音源化することができ、喜びもひとしおだ。当時から少し心境の変化もあったそうで、今回のリリースにあたり歌詞の表記を変えた部分があるという。

「もともと『世界 宇宙 どこにいても君がいれば ママはママでいられるんだ』と表記していた部分を、『世界 宇宙 どこにいても君がいれば ママは"まま"でいられるんだ』に変更しました。当時は“お母さんはあなたがいてくれさえすればどこにいてもお母さんでいられるんだ”という意味で書いていたんですけど、この10年でいろいろと考え方も変わって。“お母さんはこの子がいてくれるおかげで、ありのままで自分のことが好きでいられるんだよ”というメッセージのほうが伝えたいかもと思って、10年越しに表記を変えました」(近藤)

変更した歌詞には、近藤自身の願望を込められているという。

「自分がもしお母さんになったら、“自分らしくありのままでいたい”という願望も込めています。そりゃ、『子育てしてたらありのままでいる余裕なんてない』と思う人がたくさんいると思うけど、“きれいごと”だと言われたとしても、私はそこに希望を持ちたいなと(思っている)」(近藤)

最初は一人のお母さんへの楽曲だった『この世に君が生まれて』。今では、「日々子育てに奮闘するすべてのお母さん、お父さんは大切な子どもの存在で強くなれている」という共通の思いが届けられるあたたかい楽曲となっている。

※ラジオ関西『Clip月曜日』2024年2月5日放送回より

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