アニメ『薬屋のひとりごと』の第19話『偶然か必然か』が2月17日に放送された。軍師・羅漢（ラカン）が猫猫（マオマオ）の父親であることを知り、思い悩む壬氏（ジンシ）。一方、猫猫は先日のぼや騒ぎに乗じて祭具が盗まれたことを李白（リハク）から聞く。今まで解決した一連の事件に偶然とは言い切れない妙なつながりを感じた猫猫は、壬氏に相談して、事件の再調査に乗り出す。
（以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます）
◆一連の事件は偶然か、必然か？
ある日、庭掃除中の猫猫の元に、李白が慌てた様子で駆け寄る。李白曰（いわ）く、先日の軍部の倉庫で起きた小火騒ぎに乗じて、何者かが行事に使う祭具を盗んで行ったらしい。そして、さらに不可解な事実が発覚する。祭具の管理者は去年亡くなり、新しい管理者が就任したが、その管理者も海藻の毒に倒れ、仕事に復帰できず、相当困っていると語る李白。その海藻の毒に倒れた管理者というのが、かつて猫猫が食中毒の原因を解き明かした例の珍味好きの官僚で、去年亡くなった管理者も、これまた猫猫が死の謎を解明した甘党の官僚、浩然（コウネン）だった。
さらに、火事場で猫猫が拾った、上等な品のキセルにも、不可解な点があった。このキセルは、倉庫番がたまたま通りがかった官女を城外まで送り届けた際に、礼でもらったものだという。ちょっとした道案内のお礼にしてはかなり豪華なもの。もらった倉庫番は、舞い上がってその場で使ってしまったのかもしれない。もし、それも織り込み済みの計画だとしたら…。
そして、このキセルを倉庫番にあげた官女は背が高く、薬の匂いがしたという。
偶然とは言えないほど、多くの事件に妙なつながりがあると感じた猫猫は、壬氏に自分の考えを伝えた。
「どれも事件か事故か判断のつかない案件ばかりです。まだ偶然が重なっただけの可能性も捨てきれません」と調査自体にはあまり乗り気ではない猫猫だったが、壬氏から解決したお礼に最高級品の薬『牛黄（ゴオウ）』をやると言われ、調査を快諾する。
◆猫猫が身をていして救った人物の正体とは…？
猫猫は書庫で今までの事件についてもう一度精査する。海藻で食中毒になった官僚も、甘党の浩然も祭事にかかわる官吏だった。なぜ祭事に関わる官吏ばかりが不幸に見舞われたのか疑問を抱く猫猫。ここで、前に祭事に関わっていたという文官からある証言を得る。祭事に使われる建物『蒼穹檀（そうきゅうだん）』は、天井から祭具である柱をぶら下げる作りになっていて、その文官は柱の強度に疑問を抱いて進言したが、聞き入れられなかったというのだ。
その祭具が盗まれ、作り直されていたとしたら、それも一連の策略の一つになる。そして、柱を固定する金具などが壊れて、天井から柱が落ちてきたら、一番危ないのは真下にいる祭事を行う者、つまり“やんごとなき方”が犠牲になる。そして、その祭事はちょうど今、行われている…。猫猫は慌てて、祭事に使われる建物へ向かった。
蒼穹檀の前についた猫猫だったが、現場の警備を行う武官が猫猫の前に立ちはだかる。武官が一介の下女である猫猫を通すわけもなく、押し問答の末、頭に血の上った武官に猫猫は殴り飛ばされてしまう。それでも猫猫は「中にやんごとなき身の方がいらっしゃるのでしょう？何か起きたら飛ぶのは貴方がたの首ではありませんか」「私を見逃してください、偶然ねずみが入ったとでも言って。それなら、飛ぶのは私の首だけですむでしょう！」と武官に中に通すようしつこく問い立てる。その時、一人の男が立ち上がった。それは猫猫の実の父親、羅漢だった。
「その娘の言う通りにしてやってはどうだい？私が責任を取るよ」と武官を説得する羅漢。その白々しさに猫猫は怒りを覚えるが、「今はそんなことを気にしている場合じゃない」と、吹っ切れたように祭事中の蒼穹檀の中に向かう。
武官に殴られ、ボロボロになりながらも、祭事中の蒼穹檀内部にどうにかたどり着いた猫猫。その瞬間、柱の金具が外れる音がした。猫猫ははじかれたように走り出し、柱の下で祭事を行なっていた黒い着物の男を押し飛ばした。
大怪我を負いながらも、ギリギリで大惨事を回避した猫猫。ふと、助けた男を見ると、それは祭祀（さいし）の格好をした壬氏であった。「なんでこんな状況になっている？」と呆然（ぼうぜん）とする壬氏。壬氏の無事を確認した猫猫は、そのまま意識を失う。
身をていして自らの命を救ってくれた猫猫を優しく抱きかかえ、蒼穹檀の外へ運び出す壬氏。壬氏に抱えられ、血だらけになった猫猫の姿を見た羅漢は、怒りに満ちた表情に変わっていった。この怒涛（どとう）の展開にSNS上では「過去の事件が一つにつながる様に鳥肌」「ただただ震えた」「緻密な構成に感服」「凄まじいまでの伏線回収」と、全ての話が一つの出来事に収束していく展開に興奮している様子だった。
『薬屋のひとりごと』次話は、2月24日（土）よる24時55分、日本テレビ系にて放送予定。
