2月の住宅ローン金利は引き上げ傾向。マイナス金利政策が解除されるとどうなる?

2023年は長期金利が上昇し、住宅ローンの固定金利も上昇しました。

2024年は、マイナス金利政策の解除も検討されています。

マイナス金利政策が解除されると、住宅ローンの変動金利にも影響を与えます。

この記事では、2月の住宅ローン金利と、今後の見通しについて解説します。

各銀行の住宅ローン金利動向

日銀が2023年7月下旬に金融政策の変更を発表したことにより、長期金利が上昇しました。

その結果、金融機関の住宅ローンの固定金利上昇に影響を与えてきました。

大手銀行の住宅ローン固定金利(固定10年、最も優遇された場合)の推移は、下表の通りです。

11月までは、3行とも住宅ローン固定金利の上昇が続いていましたが、12月は金融機関により判断が分かれました。

1月の住宅ローン固定金利は、3行とも12月に比べて下がっています。

2月の住宅ローン固定金利は、銀行によって判断が分かれました。

金利引き上げの要因は、「日銀が春にもマイナス金利政策の解除に踏み切る」との見方が強まっていることです。

これにより、住宅ローン固定金利の指標となる長期金利が上昇していることを反映したと考えられます。

今後の見通し:固定金利

固定金利の指標となる10年物国債の利回りは、昨年7月に日銀が金融政策を修正し、上昇傾向が続いてきました。

しかし、2月の住宅ローン金利については、金融機関によって判断が分かれました。

今後、マイナス金利政策が解除されると、政策金利(短期金利)が引き上げられます。

みずほリサーチ&テクノロジーズのリポートによると、長期金利は政策金利にプレミアムを上乗せした水準を想定しています。

マイナス金利政策が解除された場合の長短スプレッド(長期金利と短期金利の差)については、0.75ポイントと予想されています。

つまり、短期金利が上昇すると、長期金利も0.75ポイント差で上昇することが考えられます。

これによって2026年には、長期金利は3.5%に、住宅ローンの固定金利は4.8%になると想定されています。

ただし、長期金利はアメリカの政策金利の影響も受けます。

アメリカの中央銀行が2024年中にも利下げに動くとの予想も強く、日銀の政策金利の引き上げがあっても限定的であるとも考えられています。

アメリカの長期金利が低下してくれば、日本の長期金利の上昇も抑制される可能性もあります。

今後の見通し:変動金利

みずほリサーチ&テクノロジーズのリポートによると、段階的に政策金利(短期金利)の引き上げが行われると予想しています。

住宅ローンの変動金利は、短期金利に影響を受けます。

そのため、マイナス金利政策が解除され政策金利が上昇すると、住宅ローンの変動金利の上昇につながります。

政策金利の引き上げは、国の金融正常化を目的として行われます。

そのため急激に政策金利を引き上げることはなく、段階的な引き上げが行われます。

具体的には2024年から2026年にかけて、年4回、0.25ポイントずつの引き上げが予想されています。

これよって、2026年には短期金利は2.75%に、住宅ローンの変動金利は4.0%になると予想されています。

これまでの住宅ローン金利は、低いところだと変動金利で0.5%以下の金融機関もありました。

リポート通りに変動金利が上昇した場合、現在変動金利で住宅ローンを組んでいる人は、家計の支出に大きな影響が出るでしょう。

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