清水エスパルスがJ1昇格のために必要なことは「凡事徹底」!就任2年目の秋葉忠宏監督を直撃取材してきました!

Jリーグ開幕直前スペシャル、今回は清水エスパルスです。

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J1昇格のカギとは何か。秋葉忠宏監督は今シーズン、どんな戦い方で臨もうとしているのか。昇格するために必要なことって、ぶっちゃけ何なのか?。サッカー解説者の松原良香さんがキャンプ地・鹿児島で探ってきてくれました!

昨シーズンは「あと1点」が足りなかった。あと1つ、あと1歩。足りなかったものは何だったのか?

秋葉忠宏監督:「まずは日々の積み重ね。急に上手くなることも急に強くなることもない。人の嫌がることややりたくないことを継続して長くやる。

その忍耐力やメンタリティ、そういうものがクラブ、チーム、選手、僕自身も含めて少し足りないように僕には見えているので、そこは圧倒的に改善したい」

昨シーズン、エスパルスは最後の最後、プレーオフ決勝で昇格を逃しました。J1まで、あと1ゴールでした。

秋葉監督はある、1つの言葉を提示します。

「当たり前のことを徹底してやる。凡事徹底できるように1年間厳しくやっていきたい」

上手さよりも、凡事徹底できる強さを。新戦力も以前監督のもとでプレーしていた選手など秋葉色の濃い補強となりました。

秋葉監督と松原さん。2人はアトランタオリンピックの代表メンバーとして戦った仲です。

秋葉監督:「あーーーっ!ありがとうございます、鹿児島まで。ようこそ、ようこそ、お待ちしておりました」

松原さん:「アトランタ組はみんな、秋葉監督のことを応援しています!」

秋葉監督:「今年こそ上がります」

指揮官が鹿児島キャンプで徹底したのは、基本を身体に染み込ませることでした。

この日の練習では、ボックス内を3つのエリアに分け、最もゴールの生まれやすい「ゾーン(1)」でのシュートを何度も目指しました。

裏返せばディフェンスは最もゴールが生まれにくいゾーン(3)に追い込むことが求められます。相手がゾーン(3)にいるのに不用意なスライディングでゾーン(2)で打たせてしまったときは監督から激しい激が飛んでいました。

松原さん:「ベースをしっかり示すことがキャンプの意味。昨年は途中就任でしたが、今回はキャンプから落とし込めるので、それは大きいと思いますよ」

まずは日頃からの凡事徹底。基本を身体に叩き込むことで、苦しい局面でも力を発揮することができます。

続いては戦術面。キャンプ最終日にジュビロ磐田との練習試合が行われました。

基本のフォーメーションは今シーズンも4−2−3−1。状況によって3バックも併用します。

“秋葉エスパルス”が掲げるのは個の力を最大限に引き出す超攻撃的、超アグレッシブなサッカー。一瞬のひらめきと、さらに連係面の強化がチームを底上げします。

松原さん:「ボランチの宮本が最終ラインに下りて3枚で数的優位作って、サイドに入れたところからの流れがすごい良かった。山原がボールを下げずに前にくさびを打ったり、最後は北川が『自分が決めるんだ』っていう姿勢を見せたり」

どんな状況でも受け身にならず自分たちから仕掛ける。この試合もサイドチェンジで相手を揺さぶり、主導権を自ら手繰り寄せました。チームが目指すアクションサッカーは確実に進化しています。

アグレッシブに戦い続ける“秋葉エスパルス”。監督自身が思う昇格のカギとは?

松原さん:「今シーズンの戦い方、やり方、ポイントは?」

秋葉監督:「基本的に大きく変えようとは思っていないので、より積み上げていくことをまず意識していきます。そこから、少し去年からの課題に取り組んでいきます」

松原さん:「どのへんですか?」

秋葉監督:「例えばゲーゲンプレスの切り替えのところ。速いときはものすごい速いんですけど、回数が90分の中で少ないとか」

松原さん:「良い時もあれば、そうじゃない時もある。最後のプレーオフのゲーム、俺らも悔しかったけど、監督だったら一番悔しいと思う」

秋葉監督:「いまだにあのムカつきだとか、悔しさみたいなもの、歯がゆさみたいなものはもの凄く持ち合わせているので。

最後の最後であんな後悔をするんじゃなくて、あそこにすら行かせないように。その前に勝負決めるのが一番いいと思っていますから。そんな1年になるようにしっかりやりたいなと思います」

秋葉監督が考える、昇格するために一番必要なこととは?フリップに書き込んだのは「勝負強さ」でした。

秋葉監督:「昇格できなかった瞬間から、これを追い求めると決めていました。技術だとかアイデア、判断力では上回ることができていると思っている。じゃあ、そういうチームがなぜ足をすくわれるか、なんでやられるかって言えば単純に油断するか、走らないからだと思っています。

力を持っている選手たちがサボらずしっかり走る。苦しいことにトライしているのだから、自信がつく、苦しいことから逃げなくなる。それが結局勝負強さ、勝つことにつながると思う。メンタリティと走力、ここを一番大事にしたいと思う」

<松原さんのキャンプ取材総括>
「今シーズンのエスパルス、トレーニングからの凡事徹底、三位一体のチーム作り、そして勝負強くなること、全てをやり切れば必ず昇格できると思います。現場とフロント、サポーターが三位一体にならなければいけない。

秋葉監督は2年目で継続していける。新しい選手とうまく融合していけば良くなっていくと思います」

エスパルスの開幕戦は2月25日、アウェイでロアッソ熊本と対戦します。

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