宮下県政初の当初予算案、最重点は少子化脱却 「青森新時代」へ新規事業 総額7022億円

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 青森県は20日、2024年度当初予算案を発表した。宮下宗一郎知事にとって初の通年予算は、少子化脱却に向けた「青森モデル」の実現を最重要課題とし、未来を担う「こども」の政策分野に約271億8千万円を配分。このうち、給食費などの子育て費用無償化に向けた市町村への交付金に18億7621万円、学校教育改革に約30億9千万円を計上した。一般会計総額は7022億円で、23年度当初比362億円(4.9%)減。新型コロナウイルス関連経費が498億円減る一方、「青森新時代」に向けた事業を積極的に構築し、コロナ経費を除いた比較では136億円(2.0%)の増額となった。

 宮下知事は記者会見で「若者たちがしっかりと定着して戻ってくる青森を実現し、県全体が活性化することを目標に編成した。ダイナミックな予算編成になった」と語った。

 昨年6月の就任後に宮下知事が設置したこども未来県民会議、教育改革有識者会議などで出た意見や提言、県民対話集会で聞き取った声を予算に反映させた。既存事業275件の廃止・見直しで約60億9千万円の財源を捻出し、250件の新規事業を展開する。

 主要事業は、4月から5年間を期間とする県基本計画「『青森新時代』への架け橋」で定めた七つの政策テーマに沿って分類。所得向上や経済成長を目指す「しごと」に最多の約739億6千万円を配分した。高卒者や大卒者の就職による県外転出が人口減少の要因となっていることから、産学官による協議会を新設し若者の地元定着に本腰を入れる。

 「こども」分野では、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの推定人数)を2以上に引き上げる「青森モデル」構築のため、不妊治療の自己負担分を補助する事業も始める。「環境」分野は、住宅向け太陽光発電設備や蓄電池の導入費用を一部補助する予算を盛り込んだ。

 デジタル技術の活用で働き方や生活を変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)をあらゆる分野で加速するため、76事業に計約38億5千万円を計上。教育関連ではデジタル教材や自動採点システム、地域公共交通機関にはマルチ決済システムや配車アプリの導入を支援する。

 特別会計は3.4%減の2719億667万円、企業会計は11.2%増の494億5029万円。同日は、国の総合経済対策に対応した60億3009万円の23年度一般会計補正予算案も発表した(補正後の総額8026億4342万円)。各会計の予算案は22日開会の定例県議会に提出する。

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