中日から現役ドラフトで移籍した鈴木博志。先発から抑えまで「どんなポジションでもいける準備はして来た」【オリ熱スタイル'24】

現役ドラフトで中日から移籍したオリックスの右腕、鈴木博志。宮崎・清武総合運動公園で行なわれている春季キャンプでは、第3クール最終日の12日に行なわれた紅白戦に登板し、1回を被安打2、奪三振1の無失点ピッチングを披露した。ブルペンでは日本ハムから移籍して来た吉田輝星とともに、投げ込む姿が見られていたが、初の紅白戦を無失点に抑えることが出来たことで、安堵の表情を浮かべていた。

降板後、鈴木は「真っ直ぐをだいぶ投げられたのかなというのはあります。自分のボールというのは強いボールで、ゾーンで勝負出来るボールなので。その中でラインもコースだったりいいボールが出てきた」と最速157キロを記録したことがあるストレートの走りに手応えを感じている様子。

実戦でのコントロールも、とてもまとまっていただけに、積み重ねていけばスピードもキレも増してくるのではないだろうか。またカット、スライダー、フォークそしてカーブという多彩な変化球も持ち併せているので「先発から抑えまで一通り経験できているので、どこでもできる準備だけはしておきたい」という鈴木なだけに、首脳陣はこれから適性を見極めていくことになりそうだ。

現役ドラフトに選ばれた際には「自分が選ばれたことにすごくビックリしました。同時に、3連覇している強いオリックスに獲っていただけたと思うと、嬉しい気持ちでいっぱいでした。オリックスは若手も多く、活気のあるチームだなという印象で、とにかく『みんな球が速いなぁ!』と感じていました。すごく成長するピッチャーがたくさんいるので、このチームに入って色々と学んで、より良いストレートを手に入れたいと思っています。環境が変わって、自分も変われると思いますし、新しいことに挑戦できる楽しみが大きい」と若くて強いチームに入ることを喜んでいた。

そんなチームにも早速馴染んでいるようで「ロッカーにいる選手はみんな話しかけてくれますし、野手の後輩もすごい友達の彼女みたいな感じで接してくる」と笑顔。とても「やりやすい」という。
今後の課題に関しては「真っ直ぐは全部抑えるというのはあるんですけど、変化球はまだ実戦とかでは投げてないので、その精度は上げていきたいなと思う」と多彩な変化球に磨きをかけることにより、力強いストレートをさらに活かしていくことを念頭において練習に励んでいく。
入団会見では「顔と名前を覚えてもらいたい」と話していたが、今年のキャンプにはたくさんのファンが詰めかけており「中日時代も多かったですけど、こっちはバスの渋滞かというぐらい人がいたので驚きました」とたくさんのオリックスファンと触れ合えることに驚いていた。実際に顔と名前を覚えてもらえるのは、本拠地である京セラドーム大阪やほっともっとフィールド神戸で活躍することなのは言うまでもない。「どんなポジションでもいける準備はして来た」という右腕が新天地で躍動するところを見てみたい。

文⚫︎THE DIGEST取材班(D's Style)
写真⚫︎野口航志(D's Style)

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