所有者おらず…地上6階建てホテルを税金で撤去へ 福井県勝山市が初の略式代執行

勝山市が略式代執行する方針を示した旧ホテル勝山=2月20日、福井県勝山市片瀬町1丁目

 福井県の勝山市は2月20日、同市片瀬町1丁目の旧ホテル勝山について、空き家対策特別措置法に基づく略式代執行を実施する方針を明らかにした。2024年度に解体に向けた実施設計を行い、25年度の着手を目指す。同法による略式代執行は同市初で、県内の大型建築物では初めてとなる。

 ホテル勝山は、越前大仏で知られる大師山清大寺近くに1989年にオープンし、地元のタクシー会社が経営していたが、98年9月に閉鎖した。その後、大阪の不動産販売などを行う会社が取得したものの、同社は2019年に破産した。建物は鉄骨鉄筋コンクリート地上6階、地下1階建て。

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 近隣住民からの相談や、外壁の崩落なども確認されたことを受け今年2月、建物の倒壊の恐れがあり周囲に著しい影響を及ぼす「特定空き家」に認定。所有者がいないため修繕の指導や勧告などができず、略式代執行での撤去を決めた。

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