NY市場サマリー(20日)ドル下落、利回り低下 株下落

<為替> ドルが下落した。中国が低迷する不動産市場を下支えするために住宅ローン基準金利を引き下げたことを受け、世界的な成長を後押しする追加刺激策への期待が高まった。

一方、日本円は上昇したものの、先週12日に付けた11週間ぶりの安値である1ドル=150.88円近辺にとどまった。市場では円安の再燃が日銀や財務省の介入を促すかどうかが注視されている。

中国人民銀行(中央銀行)は20日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)の5年物を25ベーシスポイント(bp)引き下げた。引き下げ幅は2019年に貸出金利のメカニズム見直しが行われて以降最大で、アナリストの予想を大きく上回った。

フォレックスライブのチーフ通貨アナリスト、アダム・バトン氏は「中国がアクセルを踏み込めば、世界の成長は回復するという考え方がある。そうなれば、ドル売りや新興国市場への資金流入が始まる」と述べた。

ブルームバーグは18日、中国の李強首相が国務院の会議で、参加した当局者に対し経済に対する国民の信頼を高めるため「現実的で力強い」行動を取るよう促すとともに、景気低迷と株安を巡る政府の懸念を強調した。

豪ドル/米ドルは0.20%高の0.6550米ドル。一時2月2日以来の高値となる0.6579米ドルを付けた。

オフショア人民元は2月7日以来の高値となる1ドル=7.1963元まで上昇した。

ドル指数は前日比0.21%安の104.08。序盤には2月2日以来の安値となる103.79を付けた。ユーロ/ドルは0.25%高の1.0804ドル。一時2月2日以来の高値となる1.0839ドルまで上昇した。

ドル/円は0.05%安の150.04円。序盤には150.45円を付けていた。

鈴木俊一財務相は20日、引き続き「為替市場の動向を高い緊張感をもって注視していく」との考えを示した。

イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は20日、市場が織り込む年内の利下げ期待に「満足している」としながらも、2023年後半にリセッション(景気後退)に陥った英経済が持ち直している兆しがあると述べた。

ポンド/ドルは前日比0.20%高の1.2618ドル。一時2月13日以来の高値となる1.2668ドルまで上昇した。

米ドル/カナダドルは0.24%高の1.3523カナダドル。

カナダ統計局が20日発表した1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で2.9%上昇と予想以上に大幅に鈍化し、早期利下げへの期待が高まった。

暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが0.33%高の5万2076ドルとなった。

NY外為市場:[USD/J]

<債券>国債利回りが低下した。先週の長期債利回り上昇を受けた値固めの動きが出た。アナリストによると、英国やカナダの国債利回り低下にも追随したもよう。

また、市場では21日に公表される1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に注目が集まっている。

終盤の取引で、10年債利回りは2ベーシスポイント(bp)低下し4.275%、2年債利回りは4.6bp低下の4.605%。

2・10年債の利回り格差はマイナス33.5bpと、前営業日のマイナス36.7bpから縮小した。一部のアナリストは、1月の米CB景気先行指数が1年11カ月連続で低下し、2020年4月以来の低水準となったことが材料視されたと指摘した。

ただ、1月の景気先行指数は22年夏以来初めて米景気後退(リセッション)の兆候を示唆しなかった。

LSEGによると、市場は米連邦準備理事会(FRB)が6月に利下げを開始する確率を80%と織り込んでいる。2週間前は利下げ開始が3月になると予想されていた。

また現時点で、年内に少なくとも3回の0.25%ポイント利下げが見込まれている。2週間前は少なくとも5回となっていた。

キーベック・ウェルス・マネジメントのブルース・リー創業者兼最高経営責任者(CEO)は、一連の好調な米指標は経済の全容を示しておらず、FRBが利下げを待つ時間が長引けば、経済の「着陸」は困難になると指摘。「FRBは第3もしくは第4・四半期までに、利下げで後ろ手に回ったと認めざるを得なくなる可能性がある」と述べた。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 下落して取引を終えた。決算を控えて半導体のエヌビディアが下落し、ナスダックを圧迫した。一方、小売りのウォルマートが上昇し、ダウ工業株30種を下支えした。

エヌビディアは4.35%安。他の半導体株も売られ、フィラデルフィア半導体指数も下落した。

エヌビディアは21日引け後に四半期決算を発表する。投資家は同社の高いバリュエーションが正当化されるかどうかを決算で見極めようとしている。人工知能(AI)を巡る期待から、同社の時価総額は米企業で3番目に高い水準となった。

ウォルマートは過去最高値を付けた。2025年度の売上高予想が市場予想を上回り、年間配当を9%引き上げたことが支援材料となった。

ウォルマートも構成銘柄に含まれるS&P主要消費財指数も上昇し、S&Pの11セクター中で上げが目立った。一方、情報技術指数は最も軟調だった。

クレジットカード大手ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズは上昇した。著名投資家ウォーレン・バフェット氏が出資する米銀キャピタル ・ワンが同社を株式交換で買収すると発表したことに支援された。買収額は353億ドル。キャピタル・ワンも上昇した。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 対ユーロでのドル安基調などを追い風に買い進まれ、3営業日続伸した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前営業日(16日)比15.70ドル(0.78 %)高の1オンス=2039.80ドルと、2月上旬以来約1週間半ぶりの高値となった。

FRBが今年半ばまでに利下げを開始するとの観測が支援材料となり、相場は2000ドルの大台を維持しているもよう。市場の関心は、利下げ時期を探る手掛かりを得たいとの思惑から翌21日公表されるFOMC議事要旨に向いている。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 世界的な需要見通しに警戒感が強まる中で売られ、3営業日ぶりに反落した。この日納会を迎える米国産標準油種WTIの3月物は前週末清算値(終値に相当)比1.01ドル(1.28%)安の1バレル=78.18ドルだった。4月物は1.42ドル安 の77.04ドル。

国際エネルギー機関(IEA)が15日、中国の需要が急速に鈍化していることを一因として挙げ、2024年の世界の石油需要の伸びを日量122万バレルと当初予想から下 方修正したことが引き続き弱材料視された。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 149.99/150.02

始値 150.21

高値 150.22

安値 149.69

ユーロ/ドル NY終値 1.0803/1.0807

始値 1.0796

高値 1.0838

安値 1.0796

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 96*25.00 4.4453%

前営業日終値 96*23.00 4.4490%

10年債(指標銘柄) 17時05分 97*25.00 4.2753%

前営業日終値 97*20.00 4.2950%

5年債(指標銘柄) 17時05分 98*28.00 4.2543%

前営業日終値 98*23.25 4.2880%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*10.50 4.6143%

前営業日終値 99*08.00 4.6560%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 38563.80 -64.19 -0.17

前営業日終値 38627.99

ナスダック総合 15630.78 -144.87 -0.92

前営業日終値 15775.65

S&P総合500種 4975.51 -30.06 -0.60

前営業日終値 5005.57

COMEX金 4月限 2039.8 +15.7

前営業日終値 2024.1

COMEX銀 3月限 2313.6 ‐33.9

前営業日終値 2347.5

北海ブレント 4月限 82.34 ‐1.22

前営業日終値 83.56

米WTI先物 4月限 77.04 ‐1.42

前営業日終値 78.46

CRB商品指数 270.7594 ‐1.8301

前営業日終値 272.5895

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