ボクシング 父子鷹で日本一を目指す赤峰仁(大東中2年) 【大分県】

1月の全九州アンダージュニアボクシング選考会で九州王者となったabox Akamine Fitness Boxing Gymの赤峰仁(大東中2年)が、3月の「第3回全日本UJフレッシュボクシング大会」に向けて、順調に仕上げている。週2回のジムの練習以外に、筋力トレーニングやランニングでスタミナをつけ、お手本とする元世界王者のクリス・ユーバンクJr.の動画を何度も見てイメージを膨らませる。赤峰は「初めての全国大会なので、これまでやってきたことを出し切り、今の自分の実力を確かめたい」と表情を引き締めた。

赤峰とボクシングの出合いは2年前。格闘技をしてほしかったという父・誠さん(45)の勧めでボクシングを始める。父子でボクシングジムに入会し、誠さんは「息子に勧めた手前、自分も同じ環境に身を置きたかった。体を動かすのは好きだったので」と話すが、「息子の成長する姿を一番近くで見たかった」というのが本当の理由だ。ここから父子のボクシング物語が始まる。仲良く一緒にジムに通い、汗を流す。きつい練習でも「父が頑張っているから」「息子の前では弱音は吐けない」と互いに刺激し合った。家庭での会話もボクシングが中心。誠さんは「共通の話題で盛り上がる」と笑う。

ボクシングが父子の共通会話となった

優しく穏やかな赤峰のボクシングスタイルは、しっかり間合いを取り、慎重に試合を組み立てる。ジムの赤峰大士会長は「おとなしい性格なので向いてないと思っていたが、ボクシングが好きで練習熱心。強くなる子は真面目に練習する。仁は言われたこと以上の練習をする。場数を踏んで(試合では)前に出る意識を高めればブレイクする雰囲気はある」と期待する。

選考会では、1ラウンドで渾身(こんしん)の右ストレートが決まり、ダウンをとった。慎重な性格が出てしまい、勢いそのままに一気に試合を終わらせることができなかったが、しっかり試合を組み立てて勝利した。全国に向けて父子で対戦相手の動画を見て、分析する日々は続く。先週初めて父子でスパーリングをした。誠さんは「あと1年もしたら負ける。強くなった」と息子の成長に目を細める。赤峰は「前に出るボクシングをしたい。ジャブとフックのコンビネーションに磨きをかけ、父に成長した姿を見せたい」と語った。

「全国大会で自分の立ち位置を確認したい」と語った赤峰仁

(柚野真也)

© オー!エス! OITA SPORTS