カナダCPI、1月は前年比+3%下回る 早期利下げ観測台頭

Promit Mukherjee

[オタワ 20日 ロイター] - カナダ統計局が20日発表した1月の消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率は2.9%となり、昨年6月以来、7カ月ぶりに3%を下回った。ロイターがまとめた市場予想は3.3%だった。変動の大きい項目を除くコア指数も低下し、カナダ銀行(中央銀行)が早期に利下げに転じるとの観測が高まった。

CPIの前月比は横ばい。予想は0.4%の上昇だった。

市場が織り込む4月利下げの確率は1月CPI発表前の33%から58%に上昇。コーペイの首席市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は、1月のCPIで「4月利下げの確率が間違いなく上昇した」と述べた。

中銀が重視する基調的なコアインフレ指標の一つであるCPI中央値は前年同月比3.3%上昇と、2021年11月以来の低い伸びにとどまった。CPIトリム平均値も同3.4%上昇で、21年8月以来の低い伸びとなった。

BMOキャピタル・マーケッツの首席エコノミスト、ダグ・ポーター氏は1月CPIについて、「ここから導き出される結論は、カナダ中銀が利下げを真剣に検討できるということだ」と述べた。

CPIの前年比での上昇率鈍化はガソリンの値下がりが主因。ガソリン価格は前年比で4%下落し、前月比でも0.9%下落した。

食品価格の前年比上昇率は前月の5%から3.9%に鈍った。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比3.1%上昇と、12月の3.4%上昇からから伸びが鈍化した。

© ロイター