署名の意義(2月21日)

 社会を変えよう。横暴を許すな―。街頭での署名活動には、さまざまな願いがこもる。たった1人の小さな声が、大きなうねりを巻き起こすこともある▼最近は専用のインターネットが登場した。「インボイス制度に抗議する」「老木を守ろう」などと呼びかけ、全国から賛同を求めている。「北海道の高校生」は昨年、猛暑対策として道内全高校へのエアコン設置を訴えた。目標数の8割近くに達しており、引き続き応援を受け付けている▼会津美里町では20年近く、年末年始に「飲酒運転根絶の誓い署名」を集めている。悲惨な事故をなくそうと、各自治区の回覧板に名前を書き込む。この冬は町の人口の半数近い8744人分がそろい先日、警察署に届けた。例年、町内での摘発は多くて2件ほどにとどまる。名を連ねるという行為は、積み重なって社会の総和と願いを表す▼北の国では、政権に批判的な元議員が大統領選に立候補を目指して署名を集めた。その数10万件。ところが、一部は無効と判断されたと報じられた。猪苗代湖からハクチョウの北帰行が始まった。かの宰相に会津の地から土産話を。ウオッカの酔いで聞く耳は…と、思いたくはないが。<2024.2・21>

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