長崎工高に半導体科目を開設 人材育成へ長崎大と連携も 2024年度から

長崎大の研究施設を見学する高校の関係者(左)=長崎市

 半導体関連の人材を育成しようと、長崎県立長崎工業高(長崎市)は2024年度、学校設定科目として「半導体製造技術」を開設する。20日は、工業系学科がある六つの県立高の教諭約20人が長崎市文教町の長崎大を訪れ、人材育成のための「高大連携」について大学研究者と意見を交わした。
 長崎工業高は工業化学科の必修科目として週2回、年五十数回の授業を計画。月1回程度、県内に拠点がある半導体関連企業から講師を招き、基礎から製造方法までを総合的に学ぶ。県立大村工業高(大村市)も25年度から同じ科目の開設を予定している。
 意見交換会では、長崎工業高の北島弘明校長が長崎大と高校側による包括連携協定の締結を提案。大学側も前向きに応じる姿勢をみせた。具体的には高校生が大学で研究を体験したり、大学の研究者が高校で講義したりすることが想定されるという。
 意見交換に合わせ、同大総合生産科学域マイクロデバイス総合研究センター長の大島多美子教授が「半導体産業で長崎の活性化を」と題し講演。全国的に半導体関連人材が不足しており、九州では今後10年で9千人の追加人材が必要とされていることなどを紹介した。このほか学内の複数の研究施設を見学した。

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