いつも米国を責める、バイデン氏がトランプ氏批判 ナワリヌイ氏死亡で

Doina Chiacu

[ワシントン 20日 ロイター] - バイデン米大統領は20日、ロシア反政府活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏の死亡に対するトランプ前大統領の反応について「トランプ氏はなぜ、いつも米国を責めるのか」と批判した。

バイデン氏は16日にナワリヌイ氏死亡が伝えられると「プーチン大統領に責任がある」と断言。大統領選に向けトランプ氏と共和党候補指名を争うヘイリー元国連大使もプーチン氏を非難した。

一方、トランプ氏は、ナワリヌイ氏の死亡によって「米国で何が起きているかについて認識を深めている」とコメント。自身の訴訟問題と関連付け「米は衰退の一途をたどっている」などと述べたが、プーチン氏を非難しなかった。

バイデン氏は「トランプ氏と他の共和党員は、プーチン氏に責任を問うことを拒否している。その代わりにトランプ氏は、ナワリヌイ氏の死によって米がいかに悪い国であるかを思い知ったと言った」と指摘。

「トランプ氏は『われわれは衰退しつつある国、落ち目の国』と言ったが、トランプ氏はなぜ、いつも米国のせいにするのか。ナワリヌイ氏の死はプーチン氏の責任だ。なぜトランプ氏はそう言えないのか」と語気を強めた。

バイデン大統領は20日、23日にロシアに対する大規模な制裁措置を発表すると明らかにした。

トランプ氏は20日、FOXニュースとのインタビューで、ナワリヌイ氏が2021年に療養先のドイツから帰国したことについて「とても勇敢」とたたえた。

同時に、帰国が正しかったのか疑問も呈し「帰国するのではなく、国外にとどまりそこから発信したほうが良かったのではないか。(死は)予想されていたことで、実際に起きてしまった」とも述べた。

トランプ氏は大統領在任中しばしばプーチン大統領を称賛し、批判を浴びた。今月には、軍事費を十分に負担しない北大西洋条約機構(NATO)加盟国をロシアから防衛しない可能性に言及した。

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