長崎港 CO2排出量40%減 2013年度比 22年度の県推計8.5万トン 50年までに実質ゼロ目標

 長崎港に出入りする船舶や隣接する工場などから排出される温室効果ガスの実質ゼロを目指す「長崎港港湾脱炭素化推進協議会」は9日、県庁で会合を開いた。臨港地区に立地する企業や関連団体、県などで構成しており、県は2022年度の長崎港における二酸化炭素(CO2)排出量が8.5万トンで、13年度の14.3万トンから約40%減少しているとの推計を示した。
 県は昨年、第1回会合を開き、長崎港を利用する船舶運航事業者や香焼、神ノ島などを含む臨港地区に立地する事業者を対象に、エネルギー使用量に関するアンケートを実施。その数値を基に、船舶や工場、関係施設で排出するCO2量を推計した。
 その結果、13、22年度ともに約9割が製造工場など民間企業の活動によるものだった。排出量が約40%減少したことについて県は「多様な要因が考えられる」とした上で、造船といった製造業の縮小も影響したのではとしている。
 一方、国の地球温暖化対策計画は30年度までに温室効果ガス排出量を13年度比で46%減らす目標を掲げており、長崎港は6%(0.8万トン)届いていない。
 同協議会では今後、「長崎港港湾脱炭素化推進計画」について協議し、今年7月以降に公表する。30年度に46%減、50年に実質ゼロとなる「カーボンニュートラルポート」の実現を目指し、長崎港で使用される主なエネルギーである電力を再生可能エネルギー由来のものに切り替えるなどの対策に取り組む。
 同協議会は企業や関連団体、県などの関係者15人で構成。出席者からはクルーズ船が停泊する際のCO2排出を抑制するため、陸上電力供給設備導入の検討を求める意見などが出た。

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