豪賃金、第4四半期は前年比+4.2% 15年ぶりの高い伸び

[シドニー 21日 ロイター] - オーストラリア統計局が21日発表した昨年第4・四半期の賃金価格指数(WPI)は前年比4.2%上昇した。第3・四半期の4.1%から加速し、2009年初頭以来の高い伸びとなった。

市場予想は4.1%上昇だった。低失業率と厳しい労働者獲得競争が背景にあるが、景気に陰りも見られる中、賃金上昇は頭打ちとの声も聞かれる。

前期比では0.9%上昇し、予想と一致した。最低賃金の大幅な引き上げを受けて、第3・四半期は1.3%上昇し過去最高を記録した。

オーストラリア準備銀行(中央銀行)は20日公表した今月の理事会議事要旨で、賃金の伸びが労働市場の一部ですでに鈍化していると指摘した。

オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアのマクロ経済予測責任者、ショーン・ラングケーキ氏は「労働市場は緩み始めており、最終的には賃金の伸びを圧迫する」と指摘。

「しかし、賃金決定システムを通じた伸び回復も十分あり、労働市場は依然として逼迫している」とも述べ、WPI上昇率は年を通して前期比0.8─0.9%で推移すると予想した。

第4・四半期は公共部門の賃金上昇率が4.3%と10年3月以来の高水準を記録。一方、民間部門の伸びは前期の4.3%から4.2%に鈍化した。

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