部下を"ちゃん付け"で呼ぶ上司に → 本人ではなく部外者が「それ、セクハラでしょ!」これはアリ?ナシ?

セクハラに厳しい目を向けられるようになった昨今、以前より職場でのセクハラに声を上げやすくなりました。ところが、セクハラの判断基準が難しいことから、新たなトラブルが生まれることもあるようで……。今回は、知人から聞いた会社で起きたセクハラ騒動をご紹介します。

部下を「ちゃん付け」で呼ぶ上司

男性社員のA男は、部下を「ちゃん付け」で呼んでいました。
女性社員だけ「ちゃん付け」ならセクハラと言えそうですが、A男は男女問わず全員に「ちゃん付け」。山田さんの場合は「やまちゃん」、伊藤さんなら「いとうちゃん」など、全員平等に名字にちゃん付けしていました。

A男は部下が良い結果を出したらしっかりと褒め、失敗してもきちんとフォローする良い上司。
A男に部下を見下している感じはなく、親しみを込めて呼んでいることが、部下には伝わっていました。

他部署の女性がセクハラを指摘

一緒に働く部下たちはA男の「ちゃん付け」に不快感を抱いていませんでしたが、他部署の女性社員のB子は異なる印象を受けていました。
彼らの信頼関係を知らないB子は、「部下の女性をちゃん付けで呼ぶなんてセクハラだ!」と騒いだのです。

怒るB子、戸惑う部下たち

B子はA男に対してだけでなく、「ちゃん付け」を受け入れている女性部下にも腹を立てていました。「あなたたちが声を上げないと! セクハラを受け入れるなんて何を考えているの!?」と叱りつけたのです。

当事者である部下たちはセクハラだと思っていなかったので、困惑しました。
B子に「男性部下もちゃん付けで呼んでいる」と説明しましたが、「それはパワハラだ」と一蹴。「自分たちは嫌だと思ってない」と伝えても、「客観的に見るとセクハラやパワハラだ。みんな感覚が麻痺している」と言い放ち、「見ていて不快だ」と吐き捨てました。

勇気ある指摘? 余計なお世話?

部下からは「コミュニケーションの1つなのに、何も知らない部外者が口を出すのはおかしい」という意見も出ました。
でも、A男は「周囲を不快にするならやめるべき」と判断。「ちゃん付け」を廃止し、「さん呼び」に変更することを決めました。

たとえ当事者が受け入れても、周囲が不快と感じたらセクハラになり得ます。でもA男のケースは不快な言動と言えるかは意見がわかれそう。
B子のアクションは勇気ある指摘だったか、いらぬお節介だったか……。皆さんはどう感じますか?

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:江田愉子

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