ロシア開発の宇宙核兵器、通信など広範囲に混乱の恐れ=米関係筋

[20日 ロイター] - 米政府はロシアが開発しているとする宇宙配備向けの対衛星核兵器について、使用されれば軍の通信から携帯電話を使った配車サービスまであらゆる分野で混乱が生じる恐れがあると考えている。事情に詳しい関係者が20日、明らかにした。

関係者はこの兵器システムについて、宇宙軌道に配備する核爆発装置が絡むとの認識を示した。

ホワイトハウスと国家情報長官室はコメントを控えた。

国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は15日、ロシアが開発中の兵器は1967年の宇宙条約に違反すると述べた。

同条約は米ロ両国を含む締約国に対し、核兵器などの大量破壊兵器を搭載した物体を地球周辺軌道に乗せることを禁止している。

米紙ニューヨーク・タイムズは17日、ロシアが秘密裏に新たな軍事衛星打ち上げを計画しているとの警告を米情報機関がここ数週間に発したと報道。宇宙への核兵器配備に使用するかどうかが重要だとした。

ブルームバーグは20日、ロシアが年内にも核兵器か模擬弾頭を宇宙に配備する可能性があると報じた。米国はロシアが爆発を計画していないとみているものの、偶発的な爆発で多数の衛星が使用不能になる恐れがあるという。

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