藤枝MYFCの“超攻撃的エンターテインメントサッカー”が進化中!柔軟性備え“本気”でJ1昇格を勝ち取りにいく!

Jリーグ開幕直前特集、今回はJ2藤枝MYFCです。超攻撃的エンターテインメントサッカーが進化しています。今年はどんなサッカーを見せてくれるのか?

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ルーキー4人を含む10人の新戦力を迎え、J2リーグ2年目に臨む藤枝MYFC。須藤大輔監督は「攻撃的な、最後まであきらめない、ひたむきな姿勢。エンターテインメントサッカーを披露し、すべての方を幸せにしたいと思う」と話します。

サッカー解説者の太田吉彰さんが、今年のチームの戦い方や新戦力との融合を確認するべくキャンプ地の鹿児島へ向かい、須藤監督に直撃。MYFCの戦い方の変化についてうかがいました。

太田さん:「今シーズンの藤枝MYFCのチームの目指す形は?」

須藤監督:「メリハリのあるサッカー。柔軟に対応するサッカー。例えば、昨季はハイプレスだけだとキツかったので、ハイプレスとミドルブロックの使い分け。

相手のプレスが来たらビルドアップもキツかった時期があるので、相手のプレスの圧を逆に使って、一発背後に取っちゃおうよとか、より一層柔軟なカメレオンのようなサッカーをしていきたい」

今年のMYFCのテーマは「柔軟性」。試合の状況でこれらを使い分け、超攻撃的エンターテインメントサッカーの進化に取り組んでいます。

この対談を前にトレーニングマッチをチェックした太田さんがその変化を深堀りしました!

まずは、攻撃面。ビルドアップの変化についてです。

太田さん:「今日、試合を見させていただいて、ビルドアップのところ。昨シーズンとの違いは、後ろで繋いでいても全選手が前を意識しているなとすごい感じました。裏の飛び出しのところをすごいよく見ていました」

須藤監督:「さすが名解説者だなあ」

太田さん:「何本かパスが出ていました。通りませんでしたが、あそこさえ通ればといったシーンがたくさんありました。今シーズンはそこを狙っているんですか?」

須藤監督:「まずゴールキーパーとセンターバックであえてボールを保持し、相手のファーストライン、あわよくばセカンドラインまでこちらに来させる。

我々のボランチに対して相手のボランチが付いてくるのであれば、そのボランチと最終ラインの間が空くだろうし、逆にボランチが来なかったら、うちのボランチがターンすればいい。ボランチに続いて最終ラインも来たら一発背後が空く、というところをきちんと整理しています。

なかなか去年はそれができなくて、何も考えずに一発背後とかを狙って、ボールロストして、パスを回されて疲弊するという時間があった。今年はそれはなしにしましょうよと。来なかったら自分らで入っていく、来たら背後」

その裏への飛び出しを得意としているのが矢村選手。

太田さん:「かなり積極的な動き出しで、周りとの連係も合ってきてるなと思いました。意識して動いていますか?」

矢村選手:「ディフェンスの動きも少しは見えてきている部分もあったので、食いついた時に裏だったり、逆に裏へ走って食いついた時には足もとだったり、というところはDF陣とも連係できていると思います」

太田さん:「今シーズンの目標は?」

矢村選手:「今シーズンは2桁得点というところにはこだわりたいなと思っています」

続いては守備面。「ハイプレスとミドルブロック」の使い分けについて。

須藤監督:「昨季は8戦勝ちなしという時期がありました。うまくいかない時に藤枝のニュースタイル。しっかり中盤で『ロック』をかけて、ミドルブロックで構え、そこからミドルプレスを掛けていこうと。

まずはコンパクトを保つこと。後ろがキャッチしていない時は絶対に行かないという約束もある。行く時と行かない時が整理されて、それがミドルブロックとハイプレスの使い分けにうまくハマっているのかなと思います」

昨年から引き続き、前線から激しくボールを追い回すハイプレスは継続しつつ、状況を見て、無理にボールを追わず、ミドルブロックで構えて守備を整える戦術も使います。

この判断に大きな影響を与えるのが後ろからの指示。GK内山圭選手に話を聞きました。

太田さん:「かなり後ろから声が出ていました。試合中、意識していましたか?」

内山選手:「基本的にはセンターバックに声を出してもらって、一番見えているキーパーとして補助ができたらなと思っています」

この、タイプの違う戦術を柔軟に使い分けられるかがポイントになりそうです。

さらに、試合を見た太田さんが気になったのは…。

太田さん:「中島大嘉選手はかなり大胆にいく。新たに入ってきた若い選手、永田貫太選手はいいドリブルからシュートを決めたり。今季の藤枝は若手選手の勢いがより増えてくるのかなと思います」

須藤監督:「今シーズン、若手選手もいっぱい入ってきましたが、本当にいい選手。元気がない時に勇気を与えてくれたりという選手をどんどんピッチに送っていきたいなと思っています」

ルーキーの中で太田さんが注目したのは浅倉廉選手。

太田さん:「かなり積極的にシュートを打ってましたし、打てるポジショニングを取れていたと思います。試合中も常に意識していましたか?」

浅倉選手:「そうですね。今一番の課題は得点のところだと思うので、どんどんシュートを打っていこうとプレーしていました。

シュート数でいえば成果は出たのかなと思いますが、最後の決めきるというところをもっとこだわっていかないといけないなと思います。

今シーズンは得点とアシストで合計2桁に乗せるということ。チームの中心として、どんどんボールに触って、リズムを作ってというプレーを出していきたいなと思います」

最後に須藤監督に藤枝MYFCの今年の目標を書いてもらいました。掲げられたフリップには「J1昇格」の文字。

須藤監督:「何が何でもJ1に昇格したい。ただJ1昇格するだけじゃなく、我々の超攻撃的エンターテインメントサッカーを繰り広げたい」

太田さん:「超攻撃的エンターテインメントサッカーに変わる新たなキャッチフレーズがもしありましたら…」

須藤監督:「『圧倒的サッカー』ですかね。攻撃で圧倒するという意味もあるし、相手エンドでずっとサッカーをするような、圧倒的支配をするという意味もある。

見ている方に感動や勇気や希望を与えるとともに、情熱を前面に出してやっていきたいと思います。サポーターの方、そしてサッカーファンの方に後押ししてもらいたいと思います」

戦術の進化、若手の躍動。楽しみが多い藤枝MYFC。

スタジオにいた解説者の松原良香さんは「須藤監督がすごく自信を持っているのを感じました。J2の中でもお金があれば、それなりにチームは強くなる。でも、お金がない、バジェット(予算)が少ない中で、須藤監督はチームをJ2に昇格させて、昨年は攻撃的なサッカーを定着させた。本当に楽しみですね」と話していました。

藤枝MYFCの開幕戦は2月24日。ホームでV・ファーレン長崎と戦います。

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