インドネシア中銀、予想通り金利据え置き 「下期に利下げ余地」

Gayatri Suroyo Stefanno Sulaiman

[ジャカルタ 21日 ロイター] - インドネシア中央銀行は21日、主要政策金利の7日物リバースレポ金利を予想通り6.00%に据え置いた。現在の水準はルピア相場を安定させインフレ率を目標内にとどめる取り組みと整合的との認識を示した。

翌日物の預金ファシリティー金利と貸出ファシリティー金利も据え置いた。政策金利は昨年10月以降、現状維持が続いている。

ワルジヨ中銀総裁は記者会見で、主要金利はインフレを管理するのに十分であり、他の手段は成長を支援することを目的としていると述べた。

中銀は2022年8月から23年10月までに250ベーシスポイント(bp)の利上げを行った。インフレ率は昨年半ば以降、中銀の目標範囲内にとどまっている。

今年の世界経済は米国やインドがけん引役となり、予想よりも力強い伸びが期待されている。しかしワルジヨ氏は「中国の成長鈍化や英国と日本のマイナス成長により、世界の成長見通しが今後低下する可能性がある」との見方を示した。

総裁は今年下半期に利下げする余地が生じるとの基本シナリオを維持した。

ほぼ横ばいで推移していたルピア相場は中銀の発表を受けて0.1%高となった。

中銀は24年の成長率見通しを4.7─5.5%に据え置いた。

DBSのエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は「最近の選挙が安定と政策継続を示す中、中銀は紅海の混乱を含む世界情勢や地政学からの波及リスクに警戒しつつ、しばらく現状を維持する可能性が高い」と述べた。

大統領選結果について質問されたワルジヨ氏は、中銀は法律上政府から独立しており、法律に従って次期政権と協力すると強調した。

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