サイクル終焉濃厚のミラン、新監督候補のコンテとチアゴ・モッタはカラーが正反対

アントニオ・コンテ氏(左) ボローニャのチアゴ・モッタ監督(右)[写真:Getty Images]

ミランの指揮官人事はどんな終着点を迎えるだろうか。

ステファノ・ピオリ監督(58)の退任が濃厚と言われるミラン。同監督は2021-22シーズンの11年ぶりスクデットの立役者だが、昨季今季のミランはやや安定感に欠ける。功績は称えられるべきだが、サイクルの終盤と捉えるべきか。

ポスト・ピオリによく名前が挙がるのは2人。

まず、ユベントスとインテルにスクデットをもたらし、イタリア代表指揮官も務めたアントニオ・コンテ氏(54)。その特徴は手堅いサッカーにベテランを重宝し、補強リクエストを容赦なく上層部に突きつけ、気に入らなければ辞任やむなし。90年代後半の美しきウノゼロ・カルチョでユベントスの主将を担った男は、超が付くほどのリアリストなのだ。

ミランと水面下で協議するなか、ナポリからイタリア代表DFジョバンニ・ディ・ロレンツォ(30)の獲得を要求しているとも伝えられる。

もう1人はボローニャのチアゴ・モッタ監督(41)。コンテ氏のように指導者としてのタイトル獲得経験はないが、柔軟さとフレッシュさでは勝る。今季のボローニャでは若手の積極登用・攻撃的サッカーがハマり、資金力に乏しいクラブをCL圏内も視界に捉える5位まで押し上げている。

バイエルンで伸び悩んだU-21オランダ代表FWジョシュア・ザークツィー(22)をオールマイティなセンターフォワード・人気銘柄へと進化させたのも、間違いなくモッタ監督の功績だ。

では、ピオリ監督退任を前提とした場合、コンテorモッタ、どちらが後任として有力か。

イタリア『カルチョメルカート』いわく、それは後者。ミランは長らくモッタ監督を探ってきたとされ、選手との対話力・若手へのアプローチ・豊富な戦術の引き出し・指導者としてバランスの取れた舵取り、これらを高く評価しているという。

しかし、異なる意見はキングから。昨年末ミランにアドバイザーとして復帰したズラタン・イブラヒモビッチ氏がどうやら“コンテ派”で、コンテ氏との意見交換を一任されているのも、何を隠そうイブラヒモビッチ氏だ。

現状、ピオリ監督退任→モッタ監督就任がより有力とされるミランだが、終着点やいかに。コンテ氏についてはバイエルンからのお誘いもあると伝えられる。

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