「不当な契約をさせられた」とビッグモーターを提訴 廃車にすると言われた愛車は別の業者に転売される

テレビ愛知

「不当な契約をさせられた」とビッグモーターを提訴

保険金の水増し請求をはじめ、数々の不正が発覚したビッグモーター。

そんな中、名古屋市の女性が車の買い替えの際、ビッグモーターに不当な契約をさせられたとして裁判を起こしています。

ビッグモーター・兼重宏行前社長:
「誠に申し訳ございませんでした」

2023年7月、保険金の水増し請求が発覚したビッグモーター。さらに除草剤を使い店舗前の街路樹を枯れさせたことが明らかに。

Aさん:
「騙されて、本当に自分がバカだったと思う。愛着があった車なので、もう少し乗りたかった」

名古屋市に住むAさん。ビッグモーターを相手に裁判を起こしています。Aさんは2022年6月、緑区のビッグモーター名古屋鳴海店に愛車のアウディを車検に出しました。ところが、その2カ月後、エンジンが故障したため修理を依頼すると、営業担当者は…

Aさん:
「『アウディは廃車だ。廃車にする』と。『値段が付けられない』と。値段が付けられないということは価値がないということ。寿命と…、諦めるしかないのかなと受け取っていたので…」

その後、営業担当者の話は4時間近く続き、愛車を泣く泣く1万円で下取りに出したと言います。

その代わりにビッグモーターで買ったのが軽自動車。値段は103万円でした。

廃車にすると言われていたアウディが…

タイヤはぼろぼろ、錆びた軽自動車を103万で買わされる

ところが…

Aさん:
「タイヤに細かいヒビが全面に入っている。金具がすごくさびている。普通はこんなにさびることはないと思う。水でさびている」

ビッグモーターは過去に、水没車であることを隠して販売し、裁判で売買を無効とする判決を受けたこともあり、Aさんは不信感を募らせました。

Aさん:
「買った車で100万円以上。だったらアウディはもっと価値がある」

軽自動車を買った数日後、契約をキャンセルしようとAさんが店舗を訪ねると、アウディはすでになくなっていました。その時のやりとりの録音があります。

【やりとりの様子】
Aさん:
「あまりにも車(アウディ)が移動するのが早かったので、びっくりしました」
担当者:
「申し訳ないですが(店に)ずっと置いておく訳にはいかない」
Aさん:
「強引だったよね。アウディがいくらで下取りとか口頭では全く伺ってないと記憶している」
担当者:「正直、金額はお付けできない。0円。0円では悲しいので、何とか価値を付けて1万円という金額を付けているだけ」

Aさんが運輸局に問い合わせると、廃車になると言われていた愛車は別の業者に転売されていました。

Aさん:
「本当に信じられない。どれだけ人をバカにしているのか。ここまでひどい商売がまかり通るのが本当に…悔しい」

Aさんはビッグモーターに対し、合わせて218万円の損害賠償を求めています。

名古屋地裁で2月21日に行われた争点や証拠などを整理する手続き。

Aさん側はアウディを下取りに出す際、ビッグモーターから「廃車にするしかありません」などと、嘘の説明を受けたと主張。

一方、ビッグモーター側は廃車にしなかったことは認めているものの、「廃車にするしかありません」とは説明していないなどと主張し、平行線をたどっています。

Aさんの代理人の弁護士は…

浅野聡志弁護士:
「相手の主張を裏付ける証拠が存在していないので、到底こちらは認められるものではないかなと考えています。従業員の車両販売に関する説明義務違反と虚偽の説明があったのではないかという主張をしています」

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