慰謝料を請求されたり裁判で不利になることも!? 離婚前にやってはいけないこと6つ

生活のすれ違いや子育ての方針の違い、性格や趣味嗜好の不一致など、さまざまな理由で夫婦は「離婚」という選択をとることがあります。裁判所の「令和4年 司法統計年報(家事編) 第19表 婚姻関係事件数―申立ての動機別申立人別」によれば、夫婦が離婚する理由の1位は「性格が合わない」ことだそう。

性格の不一致が発生した夫婦が離婚という選択肢をとるのだから、愛し合って結婚することよりもスムーズにいかないことは多々あります。

「離婚」の二文字が頭をよぎったときに、やってはいけないことをご紹介します。

これはNG!離婚の前にやってはいけない6つのこと

1:不倫などの不貞行為

離婚の原因を作った側の配偶者を「有責配偶者」と呼びますが、不貞行為が発覚した時点でそう認定される可能性があります。そうなると裁判になった際に離婚そのものの請求が認められなくなる可能性があります。

婚姻費用の請求も難しくなるかもしれません。それどころか、損害賠償責任として慰謝料を請求される場合も。

不倫や浮気などの不貞行為、さらにそうと疑われるような行為は避けるべきです。

どうせ離婚するのだからと、再婚相手を探すためにマッチングアプリなどで婚活するといったこともやめておいたほうがいいでしょう。

2:財産を隠したり不当に使用する

預貯金、不動産、自動車、保険、株式など、結婚してから夫婦で築いてきた財産は、離婚時にどう分けるかが問題になります。相手に渡したくないからといって、財産分与に備えて財産を持ち出したり、隠したり、または無断で使用することは避けましょう。

共有財産の隠匿行為や不当な使用が発覚した場合、相手方にはもちろん、裁判所への印象が悪くなり、離婚の訴えの際に不利になる可能性があります。また、不法行為として損害賠償請求をされることもあり得ます。

3:正当な理由なく家を出ていく

正当な理由なく別居すると、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」という民法752条の規定に反するとして、離婚する際に不利になる可能性があります。

ただ、配偶者からDVを受けているとか、勝手に財産を利用されるなどの正当な理由があれば、裁判で離婚が認められる法定離婚事由として別居が有効であるケースも。

有責配偶者にならないためにも、強引に家を出ていくのは避けたほうがいいでしょう。

また、夫婦の間に子どもがいる場合、子どもを残して別居してしまうと、その期間子どもをみていた監護者が親権を得る可能性が高くなります。子どもの親権を得たいのであれば、子どもを残して別居をするという選択も避けるべきです。

4:親や周囲の人に話す

例えば配偶者の不倫などから離婚をしたいケースで、相手方が不利になるような証拠を集める作戦をとるのであれば、親や周囲の人に軽々しく相談することで相手方に情報が漏れるのは避けたいところです。

こちらが有利になるような有効的な証拠が消えてしまうと、裁判を優位に進められません。もし周囲に相談するのであれば、証拠がある程度揃ってからにするのがいいでしょう。

また、離婚を迷っているような段階で、夫婦間の問題に親が介入することで、修復の余地がなくなってしまうことも。親はどうしても我が子が可愛いので、自分の子どもに肩入れしがちです。そうなると両家を巻き込んでの泥沼合戦になりかねません。

そういった意味でも、親に相談するのであれば離婚を決めてからのほうがいいでしょう。

5:攻撃的な発言をする

離婚を考えるほどの状態であれば、不仲になっていることがほとんど。日常的な口喧嘩はもちろん、相手にダメージを与えるような言動をとりたくなることもあるでしょう。

ただ、過度に攻撃的な発言をすることで、相手方に「精神的な苦痛を被った」と主張されたり、精神疾患が生じたりした場合、慰謝料請求をされる可能性があります。当然、裁判で不利になる恐れも。

離婚を円満に話し合いで解決したい、もしくは自分にとって有利に進めたいのであれば、攻撃的な発言を繰り返すのはやめましょう。

6:弁護士に相談する

弁護士ができるのは、離婚に関する法律の解説か、法に則ったアドバイスのみ。離婚を迷っている段階で話を聞くことで、修復ではなく離婚の一択という方向で話が進んでしまうことも。

離婚することは決めていて、どうするべきか聞きたいという段階であれば相談しに行ってもいいですが、まだ迷っている段階では適切ではないかもしれません。

たとえ離婚をしても人生は続きます。離婚をするならその後の生活のためにも、できるだけ円満に、もしくは自分にとっていい方向に進めたいですよね。

今回ご紹介した離婚前のNG行動を避けて、夫婦で建設的な話し合いができるといいですね。

(ハピママ*/ Mami Azuma)

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