「鹿沼城展」想定大きく上回る盛況 迫力のジオラマ、土器も人気

出土品や発掘調査の写真などを展示した会場

 【鹿沼】かぬまケーブルテレビホールで25日まで開催中の「鹿沼城展」が終盤を迎え、連日にぎわいを見せている。市役所新庁舎整備に伴う発掘調査の出土品や城絵図など計226点を展示。遺構の少ない“幻の城”の実態や城主・壬生氏と敵対勢力との激しい攻防の様子を伝えている。

 市が進める「鹿沼まるごと博物館」事業の一環で、市教委などが毎年企画展を主催。鹿沼城は戦国時代、壬生氏の居城だった場所で、現在の市役所周辺を城域としたとされる。黒川を境に宇都宮氏、佐竹氏と争い、鹿沼城は最前線の拠点だった。2020、22年の発掘調査で、小田原北条氏の城に見られ、敵兵の侵入を遅らせる「障子堀」が見つかった。

 4日に始まった企画展は既に2千人弱が来場し、想定を大きく上回る盛況ぶり。会場入り口の高さ2.3メートルの城門、平面で千分の1となる縮尺の城のジオラマは存在感抜群だ。壬生氏の家紋入りの漆器や「かわらけ」と呼ばれる土器なども展示したほか、発掘調査の過程を写真とともに紹介している。墨彩画の先駆けとみられる鳥の絵が描かれたかわらけも人気という。

 23~25日は5種の限定御城印などのグッズも販売。午前9時~午後5時(最終日は4時)。入場無料。(問)市教委文化課0289.62.1172。

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