「Zの力」で復興誓う 永井豪さんのマジンガーシリーズ 金沢・香林坊地下道に人形登場

展示されたマジンガーZの人形=金沢市の香林坊パセオ

  ●異業種交流団体が展示「能登を忘れないで」

 金沢市香林坊交差点の地下道「香林坊パセオ」に、輪島市出身の漫画家永井豪さんの代表作「マジンガーZ」の人形3体がお目見えした。「Zの力で復興する!」と能登半島地震の被災地へエールを送る幕も飾られた。展示した異業種交流団体「北陸ファクトリーコネクション」には輪島にゆかりのあるメンバーもおり、「能登への思いを忘れないでほしい」としている。

 展示されたのは、マジンガーシリーズに登場する「マジンガーZ」「グレートマジンガー」「グレンダイザー」の石像版。国名勝「白米(しろよね)千枚田」の写真とともに、「大地と海と青空にZの力で復興する!」と記した幕や輪島塗や珠洲焼を紹介するパネルが並んだ。

 人形は、メンバーの一人で津幡町の沈金師芝山佳範さん(48)が既製品を細工して仕上げた。芝山さんは県立輪島漆芸技術研修所を卒業し、輪島漆器青年会長を務めた経験があり、「金沢の人に地震を忘れてもらいたくない」と訴えた。

 北陸ファクトリーコネクションは、金沢市のまちなか公共空間活用発信提案事業で、昨年秋から香林坊パセオのにぎわい創出に取り組んできた。これまで加賀友禅のインテリアと輪島塗の膳を置いたり、伝統工芸体験教室を開いたりした。

 今年も成人式やバレンタインに合わせて展示を計画していたが、能登半島地震が発生。メンバーのカラーマーク(小松市)の吉端義信専務(55)は輪島市大野町の実家に帰省中だった。車中や避難所で生活し、1月6日に母親を連れて自宅に戻った。

 1月16日に集まったメンバーは被災地に向けて何かできることはないか考え、輪島市の永井豪記念館が朝市通りの火災で全焼したこともあり、マジンガーZの展示を決めた。

 石坂商事(玉鉾4丁目)の釡谷秀和部長(55)は「個々の目で見て考え、感じてほしい」と話し、吉端さんも「被災地にお金を送ることも大切だが、波及効果を狙った」と語った。

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