一般会計過去最大1758億円 富山市新年度当初予算案

  ●地震、大雨対応に31億円 

 富山市は21日、新年度当初予算案を発表した。一般会計は1758億1121万円で、前年度当初と比べ85億5982万円(5.1%)増加し、2005年の市町村合併後で最大となった。能登半島地震と昨年7月の大雨の災害復旧などにかかる事業費が計31億3千万円となり、予算規模が膨らんだ。

 地震関連の事業費は13億4千万円。1、2月の補正予算と3月の補正予算案を含めた地震対応の総額は39億4200万円に上り、市の災害対応の予算では最大規模となった。基幹業務システムの標準化、公設地方卸売市場の再整備なども増額の要因とした。

  ●財調8億円繰り入れ

 歳入では市税が0.5%減の756億2213万円で、合併後最大の今年度に次ぐ規模となった。定額減税による減収が影響した。貯金に当たる財政調整基金を8億円繰り入れ、新年度末の残高は99億8600万円の見込み。地震の影響は考慮していない。

 歳出は扶助費、人件費、公債費を合わせた義務的経費が全体の50.4%。重点施策にコンパクトシティ政策の深化とスマートシティの推進など5項目を設定し「スマートシティ推進プラットフォーム」会員の実証事業の支援などを盛り込んだ。子育て支援の特別枠でも新規事業を打ち出した。

 14特別会計、5企業会計を合わせた当初予算案の総額は1.6%増の3596億9772万円となった。

  ●3月補正は72億円

 同日発表した3月補正予算案は一般会計72億5460万円で、地震で被害を受けた漁船、漁具の復旧支援などの事業費を計上した。企業会計、減額の特別会計との合計は65億9215万円。28日開会の市議会3月定例会に提出する。

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