復旧車両に広場開放 前線基地化の高岡市

能登で支援活動に当たる大府市の給水車。高岡市が開放した広場に駐車している=高岡駅北口交流広場

  ●大型車のスペース確保

 高岡市が、能登半島地震の復旧・復興で全国から集まる自治体や民間企業をバックアップしている。大型の復旧車両のために市営駐車場に加えて高岡駅前の広場も開放した。高岡は能越自動車道で七尾市まで約50分とアクセスが良いことから災害支援の前線基地となっており、高岡市は市内の被災地の整備も急ぎながら、被害の大きかった能登のいち早い復旧に協力を惜しまない考えだ。

  ●市営駐車場も復興専用に

 高岡には1月中旬ごろから、能登の被災地を支援するため、全国の自治体や電力会社などが集結した。

 公園を管理する市景観みどり課などによると、給水車や作業車、重機を運ぶトラックなど大型の車両はホテルの立体駐車場に入らないため、高岡駅北の平面駐車場と駅南駐車場を災害復旧・支援車両専用として無料で開放した。しかし、予想以上の数が集まり、スペースが不足し、本来は駐車できない高岡駅北口交流広場も活用することにした。車止めを下げて車両が進入できるようにして、12台分のスペースを確保した。

 21日夜、高岡駅北口交流広場には七尾市で支援に当たった愛知ナンバーの給水車が戻ってきた。愛知県大府市の車両で、連日高岡と七尾を往復している。大府市の担当者は「現地への距離に加え、物品購入も可能なことから高岡を選んだ」と説明する。

 市によると、同広場にはピーク時には約10台の車両が止まった。現在は大府市に貸し出しており、3月上旬まで使われる。

  ●ホテル利用も多く

 市内のホテルには復旧を担う関係者が宿泊している。1月のピーク時より落ち着いたものの、今でも日帰りで能登に通う関係者は少なくない。

 アパホテル高岡駅前によると、現在は水道や建設に関わる業者などが多く、宿泊客の約7割を占めている。中には10連泊する業者もおり、担当者は「稼働率は相変わらず高い」と話す。1日に宿泊事業を再開したホテルニューオータニ高岡では、医療従事者や炊き出しのボランティア団体などが主に宿泊しており、利用客の約3割が復旧・復興の関係者だという。

 市は当面の間、高岡駅南北の駐車場と広場を開放し、前線基地としての役割を担う方針だ。

© 株式会社北國新聞社