ブラジル外相、G20会合で国連の機能不全を批判 日米も改革支持

Lisandra Paraguassu Anthony Boadle

[リオデジャネイロ 21日 ロイター] - ブラジルのビエイラ外相は21日、20カ国・地域(G20)外相会合の冒頭で、国連や多国間機関は戦争や紛争の激化を止めることができず、罪のない人々を死に追いやっていると非難した。

ビエイラ外相は、現在進行中の紛争を巡って国連安保理が機能不全に陥っているように「多国間機関は現在の課題に対応するための十分な機能を備えていない。この無為無策の状態は罪のない人々の命を奪う結果となる」と指摘。今年のG20議長国としてのブラジルの最優先課題はグローバルガバナンスの「抜本的な改革」とした。

2日間にかけて行われるG20外相会合では11月に開催されるG20首脳会議(サミット)のアジェンダが準備される。

ビエイラ外相はまた、軍事力によって意見の相違が解決される世界を受け入れないと強調。「世界の大部分が平和を選択しており、他国が引き起こす紛争に巻き込まれることを容認していない」とした。

米国務省のマシュー・ミラー報道官によると、ブリンケン米国務長官がブラジルのルラ大統領と会談し、グローバルガバナンスをより効果的にするというブラジルのアジェンダに対する米国の支持を表明した。

日本の上川陽子外相も支持を表明。報道官によると、上川外相は会合で「安保理は地政学的な変化に適応し、変化する世界においてより効率的になる必要がある。国際社会は複数の危機に直面している」と述べた。

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