幕末福井の医師・笠原良策を映画化…松坂桃李さん、役所広司さんら出演 「雪の花」原作、ロケ大部分は福井県内

松坂桃李さん

 幕末福井の町医者で、不治の病として恐れられた天然痘から日本を救おうと命懸けで闘った笠原良策(白翁、1809~80年)の生涯が映画化されることが、配給元の松竹から2月22日付で発表された。吉村昭さんの小説「雪の花」(新潮文庫)が原作。良策役は松坂桃李さん、役所広司さんと芳根京子さんが脇を固める。監督は小泉堯史さん。映画「雪の花 ―ともに在りて―」は来年1月24日に全国公開される。

 笠原良策は足羽郡深見村(現福井市)に漢方医の息子として生まれた。漢方医学を修め、福井城下で開業。その後蘭方医学を学んだ。天然痘の確実な予防法が異国から伝わったと知って、京都の蘭方医・日野鼎哉(ていさい)=役所さん=に教えを請い、私財をなげうって種痘(しゅとう)の苗である痘苗(とうびょう)=ワクチン=を福井に持ち込む。さまざまな困難に直面するが、妻・千穂(芳根さん)の支えの中で種痘の普及に立ち向かう。

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 ロケの大部分は福井県内で行われた。昨年10月下旬から約2カ月間、福井市おさごえ民家園や大野市の武家屋敷旧田村家、旧内山家、越前市の旧谷口家住宅などで撮影された。

 小泉さんは、黒澤明監督の助監督を務めた後、「博士の愛した数式」(2006年)「峠 最後のサムライ」(22年)などでメガホンを取った。小泉さんは「良策に無私の美しい精神を感じる。歴史を鑑(かがみ)とし、私たちに希望や勇気を示し、道をすがすがしく照らしてくれるのではないかと思っている」、松坂さんは「未知の病と闘った一人の町医者がつないだ希望。懸命に命と向き合う良策の姿を見てほしい」とそれぞれコメントした。

映画「雪の花」出演…松坂桃李さん、役所広司さん、芳根京子さんコメント全文

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