億万長者のラトクリフが正式にマンUの共同オーナーに!残された問題は…

ついにマンチェスター・ユナイテッドの買収問題が終結した。

現地時間2月20日、マンチェスター・Uが公式HPで、多国籍化学企業『INEOS』の創始者で億万長者の英国人ジム・ラトクリフが所有する『Trawlers Limited』が、FA(イングランドサッカー協会)とプレミアリーグからの承認を含むすべての条件を満たし、クラブの株式25パーセント(1323万7834株)を取得したことを公表した。

また、この公開買い付けによる取引完了後、ラトクリフ側は株式を追加取得するためにクラブに2億ドル(約280億円)の追加融資を行ない、約27.7パーセントの株式を所有することになった。

さらに24年12月31日までに1億ドル(約140億円)をクラブに投資する予定で、これらの資金は本拠地オールド・トラフォードのインフラ整備に当てられるという。

ラトクリフは子供のころからユナイテッドのファンで、現オーナーのグレイザー家とともにクラブの共同オーナーに就任した喜びを以下のように語っている。

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「マンチェスター・ユナイテッドの共同オーナーになることは大変名誉なことであると同時に大きな責任が伴う。イングランド、ヨーロッパ、そして世界のフットボールの頂点にクラブを戻すという私たちの旅の始まりに過ぎない。これらの目標を達成するための取り組みは今日から始まる」

残された問題は、UEFA主催のコンペティションに参加する際のマルチオーナークラブ規定をクリアできるかどうか。これは同一オーナーが保有するクラブが同じコンペティションに参加すれば、結果とそれがもたらす利得をめぐって利益相反の関係が生じるため、UEFAが規制しているものだ。

ラトクリフを総帥とするINEOSグループは、すでにスイスのローザンヌ、フランスのニースを保有している。そのため、どのクラブも欧州カップ戦に参加できるようにシーズン終盤にUEFAと協議する予定だという。

協議の結果次第でクラブの所有権を変更しなければならない可能性もある。ただ、マンチェスター・Uの株式を取得したTrawlers Limitedはラトクリフが所有しているものの、INEOSからいかなる干渉も受けない別会社となっているようだ。

UEFAがどんな判断を下すか注目が集まる。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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