「うますぎて憧れる存在だった」…サッカー元日本代表・松井大輔さん現役引退 鹿実時代の仲間が振り返る、国見戦でみせた想像を絶するプレー

松井大輔さん

 サッカーJ3のYS横浜と契約満了した松井大輔さん(42)は、20日に現役引退を表明した。鹿児島実高時代から卓越した技術を持ち、18歳でJリーグ入り。日本代表としてもファンを沸かせた天才ドリブラーに、関係者は「お疲れさま」「感動をありがとう」とねぎらいの言葉を贈った。

 鹿実で寝食をともにした池畑辰徳さん(42)は「うますぎて同級生でも憧れる存在だった」。印象に残っているのは、第78回全国高校選手権2回戦の国見(長崎)戦だ。

 1-0で迎えた後半39分、左サイドの松井さんが右足で柔らかなループパスを供給し、2点目をアシストした。「想像を絶するプレーをするし、点も取れる。日本で一番のプレーヤーだった」。チームは勢いに乗り準優勝を果たした。

 Jリーグの京都や、フランスリーグなど海外でも活躍。2010年には南アフリカW杯の日本代表に選出され、高校の先輩でもある遠藤保仁さん(44)と一緒にプレーした。

 松井さんの父・松井一雄さん(76)=京都市=は「高校時代の松澤隆司監督が、教え子2人の出場をうれしそうに語ってくれた。温かい人たちが多く、鹿児島に育ててもらった」と感謝した。

 鹿実サッカー部のコーチや監督を務めた竹田順数さん(70)は、「松澤先生も天国で『お疲れさま』と言っているはず。指導者になって、大輔のように個性のある選手を育ててほしい」と期待した。

鹿児島ユナイテッドFCとの試合でプレーするYS横浜・松井大輔さん(手前)=2022年10月、ニッパツ三ツ沢球技場

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