「まちの質を高める」 長崎市長施政方針 交通網の維持・強化へ

長崎市議会が今回の定例会から導入する「字幕表示モニター」。人工知能(AI)が文字化した発言が表示される=長崎市議会

 長崎市議会定例会は21日開会し、過去最大規模となる2024年度一般会計当初予算案(総額2310億5千万円)など51件を上程した。鈴木史朗市長は施政方針説明で、中心部で進む再開発効果を全体に及ぼすための構想「長崎まちづくりのグランドデザイン」を新たに策定し、「まちの質を高める」と述べた。
 グランドデザインの検討委員会を設置し、25年度までに作る。当初予算案に策定費1300万円を計上。本年度中に完成予定の「長崎都心まちづくり構想」をベースに、中心部と周辺部をつなぐ交通ネットワークの維持・強化などの方向性を示す。
 当初予算は鈴木市長が編成した初の本格予算。人口減対策に向けた重点プロジェクトとして、交流拡大や子育て負担軽減など計161事業に総額31億6400万円を充てる。鈴木市長は「着実に成果に結び付けるため、加速度的に取り組みのスピードを上げる」とし、特に「サステナブル(持続可能)」「グローバル」「デジタル」の3点を念頭に施策を進めるとした。
 この日の本会議から、傍聴席には、議場での発言をリアルタイムで文字化する「字幕表示モニター」が設置された。

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