中国人観光客争奪戦に中央アジアが名乗り、カザフスタンを訪れた中国人は12倍に―中国メディア

中国メディアの第一財経は20日、「中国人観光客の争奪戦に中央アジアも参戦した」と報じた。写真はカザフスタンの首都アスタナ。

中国メディアの第一財経は20日、「中国人観光客の争奪戦に中央アジアも参戦した」と報じた。

記事は、「東南アジアと同様、中国と陸続きの中央アジアも今、この自然の強みを生かして中国人観光客の争奪戦に加わっている」と指摘。「かつて中央アジアに行く際のビザ手続きは非常に不便だったが、2018年7月にウズベキスタンが先陣を切って電子ビザを導入し、21年3月から中国人を対象に10日間のビザ免除政策を開始。これに続き、カザフスタンも中国と23年11月10日にビザ相互免除を開始した」と説明した。

蘭州大学中央アジア研究所の韋進深(ユエン・ジンシェン)氏は「近年、中国と中央アジアの人的往来は増加している。こうした背景の下で両国のビザ免除が行われたことは、観光業の促進に大きな役割を果たすだけでなく、2国間のビジネス、人文交流においてもプラスになる」との見方を示した。

カザフスタンのエルメク・マルジクパエフ観光・スポーツ相が16日に示したデータによると、同国を訪れた中国人観光客の数は22年の1万8000人から23年には21万7000人とおよそ12倍に増加したという。

カザフスタン企業と取引をしている企業の任(レン)氏は「19年にカザフスタン行きのビザを取得するのは大変なことだった。極寒の中、午前4時にビザ申請の列に並んだこともある」と語った。しかし、ビザの相互免除により現在ではそんな苦労も必要なくなったという。観光面でも、カザフスタンは国土が広大で、雪山や澄み切った湖、見渡す限りの草原など、自然の景観が中国人観光客を魅了している。また、近年、急速に近代化している都市では次々とランドマークになる建物が建設されている。

一方、ウズベキスタンは自然よりも歴史文化が見どころで、シルクロード時代の遺跡も豊富。13年からは中国と共同で古代遺跡の保護・修復プロジェクトも行われた。同国は観光業を基幹産業と位置付けて支援しており、北京、西安、成都など中国の主要都市との直行便も就航している。

記事は、中央アジアは経済的にまだ発展しておらず、観光市場の開発期間も短いため、宿泊施設や交通インフラなどにやや不便さがあるものの、観光地としての潜在力はあると伝えている。(翻訳・編集/北田)

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