足利市両崖山の大規模山林火災から3年 今も残る山火事の爪痕

 足利市西宮町で発生した大規模な山林火災は、21日で3年が経ちます。山には焼け焦げた跡や枯れた木が見られるなど、今もなお火災の爪痕が残っています。

 2021年2月21日、足利市西宮町の両崖山から出火し、山林火災が発生しました。およそ167ヘクタールの広範囲が焼かれ、鎮火まで23日間かかるなど、市民生活にも大きな影響を及ぼしました。出火の原因は「たばこ」と推定されています。

 あの火災から3年。

 21日の両崖山はあいにくの雨でしたが、火災をきっかけに山の保全活動を行う足利市の物流サービス業「ユニバースプロダクツ」の登山部のメンバーが、改めて山を登りました。メンバーらは、普段から両崖山に何回も登っていて山への思いは人一倍です。

 登山道の脇に生えている木々の幹は未だ黒ずんでいて、火災の跡が今もいたるところに残っています。

 40分ほどかけて登山道を登ると、関東平野を一望できる場所に到着。この場所は以前、見晴台がありましたが、火災で焼けてしまいました。しかし、メンバーらが山を復興させたいという強い気持ちから地域の協力を受けながら憩いの場となるウッドデッキを新たに作りました。

 火災を受けて足利市では、2022年4月1日に、全国で初めてとなる山火事防止条例を施行しました。条例では山林の屋外でのタバコやたき火のほか、コンロやバーナーの使用を禁止しています。

 この火災で両崖山が知られるようになったこともあってか、代表の鈴木さんによりますと、登山者が3倍から4倍ほどになったといいます。登山者が増えることを喜ぶ一方で、条例が施行されたあとも火を使う人の姿を数回見たといいます。

 鈴木さんは、今も年間100日は両崖山に登り、ごみ拾いなどの山の保全活動を続けています。

© 株式会社とちぎテレビ