初代「山の神」今井正人が引退 箱根駅伝、マラソンで活躍 25日にラストラン

マラソンのパリ五輪代表選考会(MGC)に先立ち、記者会見で意気込みを示す今井選手=2023年10月

 東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)で初代「山の神」と呼ばれ、マラソンでも活躍した福島県南相馬市小高区出身の今井正人(39)=原町高出身=が現役を引退する。所属先のトヨタ自動車九州陸上部が21日、発表した。25日に福岡市で開かれる日本選手権クロスカントリー男子10キロが現役最後のレースとなる。引退後は部に残り、指導者として後進の育成に当たるという。

 今井は原町高3年時に全国高校総体(インターハイ)5千メートルで5位入賞。順天堂大に進み、箱根駅伝の5区で3年連続の区間賞を獲得した。4年時の2007(平成19)年、2年時に続く区間新記録を樹立し、順大の往路優勝と総合優勝に貢献した。

 実業団では2015年の東京マラソンで自己記録の2時間7分39秒をマーク。同年の世界選手権代表に選ばれたが直前の病気で欠場した。昨年10月のパリ五輪日本代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」はレース途中で失格に終わった。

 東日本大震災の津波で南相馬市の実家が全壊した。18回挑戦したマラソンや駅伝で力走を見せ、震災と東京電力福島第1原発事故からの復興へ歩む県民を勇気づけてきた。

 市町村対抗県縦断駅伝競走大会(ふくしま駅伝)には小高中2年から原町高3年まで5回出場。原町高2、3年時の第13、14回大会で区間賞を獲得した。

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