【早出し】「ありがとう」最後のソフト麺給食 天童市

天童市では最後の提供となったソフト麺給食を味わった児童=高擶小

 製造元の鈴木製麺(山形市)が廃業するため、本年度で給食から姿を消すソフト麺が21日、天童市内の小中学校と特別支援学校の全16校で提供された。同市内では、この日が最後。高擶小(斉藤厚志校長、382人)では同社の社員が招かれ、児童らが感謝の気持ちを伝えた。「ありがとう」「おいしいね」。子どもたちは長い間、楽しませてくれたソフト麺を笑顔ですすり、別れを告げた。

 同校の6年生39人が「ありがとうの会」を企画し、同社の飛塚裕司営業部長(62)ら4人が招かれた。児童代表の大下圭亮君(12)が「僕たちのおなかをいっぱいにしてくれて、とてもうれしかった。6年間本当にありがとうございました」とお礼を述べ、児童4人が手作りのメダルを社員に贈った。飛塚営業部長は、「おいしいと言ってもらえるよう一生懸命作ってきた。ソフト麺の思い出を忘れずにいてほしい」と語った。

 ミートソースやだしの入った和風のスープなど、どんな味にも合うソフト麺。同市ではカレーうどんにして味わった。子どもたちは笑顔で袋を開け、ソフト麺をおわんに投入。塩野美凜さん(12)は「給食に出る日は、いつも朝から楽しみだった。大好きなソフト麺がなくなるのは寂しいけど、きょう食べた味をいつまでも忘れないでいたい」と話した。

 同社は県内唯一のソフト麺メーカーで、県学校給食会から委託を受け1968(昭和43)年から製造し、現在は天童市の工場から各校に供給している。県内では村山をはじめ置賜、最上各地域の一部の市町村で月1~2回程度提供されてきた。原料の小麦などの高騰や少子化などもあり、廃業を決めたという。県内でのソフト麺給食は、3月14日の南陽市が最後になる予定だ。

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