土地売買の大和不動産(兵庫県姫路市)が23日、一風変わったこだわりのコーヒー店を同市坂田町にオープンさせる。豆のサイズを70以上に細かく分類し、焼き加減のばらつきを極力減らすことで、深煎(い)りの苦みやコク、浅煎りのフルーティーさや酸味など、狙った味わいを精度高く生み出す。
店名は「アライン・コーヒー・ロースター」。社員の松井良行さん(48)が趣味で追究してきたコーヒーを社内で振る舞ったところ、一同がそのおいしさに驚いたという。松井さんのやり方で入れるコーヒー店を開こうと、ビルを買った。
松井さんは2016年、焙煎(ばいせん)を始めた友人に触発され、焙煎に興味を持った。「焼き加減のそろった豆で入れるとおいしくなる」という本の解説に従って入れてみるとその通りだったため、焼く前に豆のサイズをそろえるようになった。
升目の大きさが0.25~1ミリ単位で違う方眼紙を用意し、豆を一粒ずつ置いてサイズを分類した。ただ、あまりにも時間がかかるので、開業に当たっては機械化を模索。割れや欠けのある豆を人工知能(AI)技術でより分ける機械を趣味で作っていた石川県のコーヒー愛好家の男性を見つけ、製造を依頼した。
店では30近い国や地域の豆をそろえ、豆や粉、ドリップバッグも販売する。
「趣味が店の開業にまでつながって感無量」と松井さん。大和不動産の椎野忠通社長(49)は「コーヒーマニアによるマニア向けのマニアックなコーヒーを届けたい」と笑う。
水曜定休。午前10時半~午後6時。アライン・コーヒー・ロースターTEL080.2488.8338 (長尾亮太)