ダイエットしたいです。「乳酸菌入り」と「ビフィズス入り」ヨーグルト、どちらが良い?

近年、腸からのダイエットアプローチが有効といわれています。それもあって、ヨーグルトを食べるなどして腸活に励んでいる人もいるのでは? そのヨーグルトも、食べ方をちょっと工夫するだけで、「やせ菌」や、やせ菌が作り出す身体に嬉しい物質が増える理想的な環境にすることもできるといわれているのです。

今回は、そのやせ菌や物質についての説明のほか、腸活のエキスパートである管理栄養士直伝の、やせ菌を増やすヨーグルトの効果的な食べ方をご紹介します。

短鎖脂肪酸を増やすヨーグルトの食べ方

続いて、短鎖脂肪酸を腸内で増やすためにヨーグルトを取り入れる際のコツについて、一般社団法人日本腸内環境食育推進協会の腸の学校®認定講師で管理栄養士の津崎みくさんに伺いました。

短鎖脂肪酸を増やすためにおすすめの食べ方を3通り、教えていただきました。ぜひ取り入れてみてください。

1.酒粕プルーンヨーグルト

「プルーンには水溶性食物繊維が豊富です。ドライプルーンを使用することで量をしっかり摂ることができます。ドライプルーンをヨーグルトに一晩浸けておくと、プルーンがヨーグルトの水分を吸って、ヨーグルト自体が濃厚になります。そしてプルーンの甘さがヨーグルトに溶けてほんのり甘いヨーグルトに大変身。酒粕には腸の動きをよくしたり、余分な脂質やコレステロールを排泄する役割があるため、便秘解消やダイエットにおいて相乗効果をもたらします」(津崎さん)

「酒粕プルーンヨーグルト」レシピ

【材料】(1人分)

・ヨーグルト 100g

・酒粕 大さじ2

・ドライプルーン 3粒

・キウイフルーツ 1/2個

【作り方】

(1)酒粕とプルーンをヨーグルトに浸け、冷蔵庫で一晩寝かせる。

(2)キウイフルーツは食べやす大きさにカットして、(1)に盛り付ける。

※酒粕にはアルコールが含まれるため、アルコールに弱い方は600Wの電子レンジで40秒程度、加熱してアルコールを飛ばしてください。途中でかき混ぜ、少量水を加えながら数回繰り返すと飛びやすくなります。

2.オートミールとベリーのヨーグルト

「オートミールはそのままでは硬いので、ヨーグルトに一晩漬けることでモチモチ食感になります。すぐ食べたい場合はヨーグルトにオートミールを浸して電子レンジで30秒加熱してください。水分を含んだオートミールは腹持ちが良いのも嬉しいポイント。水溶性食物繊維が豊富なオートミールと、いちごのマグネシウムやクエン酸によって腸の動きをサポートします」(津崎さん)

「オートミールとベリーのヨーグルト」レシピ

【材料】(1人分)

・ヨーグルト 100g

・オートミール 30g

・いちご 3粒(60g)

・ブルーベリー 20g

・はちみつ 大さじ1

【作り方】

(1)オートミールをヨーグルトに浸して冷蔵庫で一晩置く。

(2)いちごは食べやすいサイズにカットする。

(3)(1)に(2)とブルーベリーをトッピングし、はちみつをかける。

※すぐに食べるときはオートミールに大さじ2のヨーグルトをかけてラップをして600Wの電子レンジで30秒程度加熱する。

3.甘酒きんかんヨーグルト

「砂糖不使用で甘酒ならではの優しい甘みと、きんかんの爽やかな酸味が美味しい甘酒きんかんヨーグルトです。甘酒は善玉菌のエサになるオリゴ糖やビタミンB群が豊富で、腸内環境を整えたり、疲労回復や脂質代謝を促進する効果があります。きんかんに含まれる水溶性食物繊維は、便を柔らかくしたり、善玉菌を増やす効果があるため、腸内細菌のバランスを整えてくれます」(津崎さん)

「甘酒きんかんヨーグルト」レシピ

【材料】(1人分)

・ヨーグルト 100g

・きんかん 3個(60g)

・甘酒 大さじ2(濃縮タイプ)

【作り方】

(1)きんかんは半分にカットして、種をとる。耐熱容器にきんかんと甘酒を入れてラップをし、600Wの電子レンジで1分加熱する。

(2)ヨーグルトと(1)を和える。

乳酸菌入りとビフィズス入りヨーグルト、どちらが良い?

ところで、市販のヨーグルトを選ぶときに、乳酸菌入りとビフィズス菌入りとではどちらがおすすめなのでしょうか。腸活には乳酸菌が良いとよく耳にするので、気になりますよね。

津崎さんによると、ビフィズス菌入りのほうが短鎖脂肪酸を作り出すのにおすすめだそうです。

「乳酸菌とビフィズス菌はどちらも腸内環境を整えるために欠かせない善玉菌です。2つの菌の特徴に着目すると、乳酸菌は小腸や大腸に生息しており、主に免疫機能や腸内環境を整える働きがあります。ビフィズス菌は大腸にしか存在しない菌で、主に悪玉菌を減らし、腸内環境を整えたり、酪酸や酢酸などの短鎖脂肪酸を作り出します。

産まれたばかりの赤ちゃんの腸内細菌の大半はビフィズス菌が占めていますが、加齢と共にビフィズス菌が減少し、悪玉菌が増えるなど腸内細菌のバランスが乱れやすくなるため、積極的に摂りたい菌なのです。

ダイエット目的であれば、無糖のヨーグルトがおすすめです。今回ご紹介したレシピのように、甘酒などで自然な甘味をつけましょう」(津崎さん)

短鎖脂肪酸を腸内に増やすダイエット術、いかがでしたでしょうか。地道に腸に良い食べ物を選び、痩せやすい腸を作り出すことがポイントといえそうです。ぜひ実践してみましょう。

【有識者プロフィール】

福田 真嗣(ふくだ しんじ)さん
慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授、株式会社メタジェン代表取締役社長CEO。1977年生まれ。2006年、明治大学大学院農学研究科博士課程修了。博士(農学)。理化学研究所基礎科学特別研究員などを経て、’12年より慶應義塾大学先端生命科学研究所特任准教授。’19年より同特任教授。’13年、文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞。’15年、文部科学省科学技術・学術政策研究所「科学技術への顕著な貢献2015」に選定。同年、ビジネスプラン「便から生み出す健康社会」でバイオサイエンスグランプリにて最優秀賞を受賞し、株式会社メタジェンを設立。同年、代表取締役社長CEOに就任。

柴田 真希(しばた まき)さん
管理栄養士・料理家。1981年、東京生まれ。女子栄養大学短期大学部卒業後、給食管理、栄養カウンセリング、食品の企画・開発・営業などの業務に携わり、独立。27年間悩み続けた便秘を3日で治した「雑穀」や「米食の素晴らしさ」を広めるべく、雑穀のブランド「美穀小町」を立ち上げる。

津崎 みく(つざき みく)さん
一般社団法人日本腸内環境食育推進協会、腸の学校®認定講師、管理栄養士。腸の学校®で20年以上の便秘を卒業し、現在は認定講師として便秘やアトピーでお悩みの生徒さんのサポートに携わる。企業へ腸活レシピの考案を手がける。

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