中古車販売大手のビッグモーターを相手に裁判を起こすにあたり、気がかりなのは大手商社・伊藤忠商事が検討している買収です。企業の買収に詳しい、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの木俣貴光さんに話を聞きました。
創業家との決別が買収検討の条件
伊藤忠商事の買収検討の条件は「兼重宏行前社長ら創業家が、経営に一切関与しないこと」としています。そのため中古車販売などの主要事業を引き継ぐ新会社を立ち上げさせて、旧会社には損害賠償の支払いなどの業務を残します。伊藤忠商事は新会社の買収を検討しています。
旧会社が返済金を賄えるだけの金額で買収か
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの木俣貴光さんは「このような買収の場合、損害賠償の支払いなどの返済金が膨大になると、旧会社は債務超過や支払い不能に陥り、破産する可能性がある」といいます。損害賠償や補償などを求めている人は泣き寝入りするしかありません。その場合、買収する側のイメージが悪くなる可能性があるので、旧会社が返済金を賄えるだけの金額で買収する場合もある、ということでした。今後の動向に注目が集まります。