町中に“ひな飾り” 民家や店舗など103軒の軒先に約4000体 江戸時代の人形も 愛知・豊田市足助町

テレビ愛知

豊田市足助町で2月10日から3月10日まで開催されている中馬(ちゅうま)のおひなさん。足助の古い町並みを舞台に、時代ごとのひな人形が玄関先や店内に飾られます。子どもから大人まで、幅広い世代が訪れる「中馬のおひなさん」を取材しました。

足助の町並み

昔ながらの町家が数多く並ぶ足助の町並み。愛知県で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、今なお江戸時代後期の面影を残します。

ひな人形

「中馬(ちゅうま)」とは、馬に乗って物資を運んでいた人たちに由来するそうです。足助は街道の中継地点だったため、交易が盛んに行われていました。

さっそく町中を歩いてみると、民家や店舗の至るところに並ぶ華やかなひな人形が目にとまります。

美容院に飾られたおひなさん

民家や店舗など、103軒に約4000体のひな人形が飾られています。旧家が多い足助町は、長年蔵などに保管されていたひな人形が多く存在したといいます。

この「中馬のおひなさん」について、豊田市足助観光協会の田口敏男会長に話を聞きました。

豊田市足助観光協会・田口敏男会長

田口会長:「町が寂れていくので、なんとか人を寄せようと一軒一軒、『おひなさん』でも飾って、閑散期に来てもらおうと始まりました。足助は節句文化を大切にしています」

時代ごとのひな飾り

親子三大のひな飾り

江戸時代、明治時代、昭和時代の親子三大のひな飾りを展示する店舗もありました。時代ごとに変化するひな人形の姿を楽しめます。

江戸時代のひな人形

江戸時代は切れ長の目に、少し開いた口が特徴的です。絹の衣装に細かな刺しゅうが施されています。

江戸時代よりも豪華に作られる

明治時代は江戸時代より派手に作られています。目は優しく顔はふくよかです。

昭和時代はシャープな顔つき

昭和時代は目鼻立ちがくっきりしていて、顔はシャープな印象に。

御殿段飾り

昭和30年代~40年代に流行した「御殿段飾り」も展示されています。最上段に御殿があることからその名が付きました。

子どもは菓子がもらえる

一部店舗では店員に「おひなさん見せて」と伝えると、子どもは菓子がもらえます。

藤屋油店の鈴木照美さん

藤屋油店の鈴木照美さんは「イベントをやって皆さんが来てくれるのは、良いことだと思います」と笑顔を見せました。

「中馬のおひなさん」は3月10日(日)まで開催されています。

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