だまされた父親、息子を助けるために渡したカード…詐欺師のもとへ 秘匿性の高いアプリで指示していた2人を逮捕、住所不定の27歳と22歳

カンボジア拠点の特殊詐欺で指示役疑い 2人を再逮捕

 カンボジアを拠点とした特殊詐欺事件で、キャッシュカードの受け取り役に指示を出したとして、埼玉県警捜査2課と草加、吉川署の合同捜査班は20日、詐欺の疑いで、いずれも住所不定、職業不詳の男(27)と男(22)を再逮捕した。

 再逮捕容疑は氏名不詳者らと共謀し、昨年8月22日午後5時ごろから数回、川崎市の男性=当時(91)=方に次男を名乗り「駅でかばんをなくした」「カードを止めているから仕事の取引先へ支払いができない」「キャッシュカードを貸してもらえないか」などと電話。同日午7時55分ごろ、男性方でキャッシュカード2枚をだまし取った疑い。県警は共犯事件のため認否や供述を明らかにしていない。

 県警は27歳男、22歳男らリクルーター3人を1月31日にカンボジアからタイを経由して日本に移送する機内で逮捕。捜査2課によると、押収したスマートフォンなどの精査からカンボジアから受け子の男へ指示していた事実を特定した。秘匿性の高いスマホの通信アプリで連絡を取っていたという。今回の受け子は他県警に逮捕されている。

 また、県警は前回、男らとともに詐欺容疑で逮捕した会社員の男(27)=兵庫県多可町、詐欺罪で起訴=を不正に入手したキャッシュカードを使い現金56万6千円を引き出した男らをリクルートしたとして、窃盗の疑いで再逮捕した。

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