「上げ馬神事」今年も5月に開催 虐待批判に跳び越える土壁撤去

2メートルの土壁が撤去され、緩やかな傾斜になった坂=22日午後、三重県桑名市

 三重県桑名市の多度大社で毎年5月に行われ、動物虐待に当たるとの批判もある伝統行事「上げ馬神事」について、大社側が22日、今年も5月4、5日に開催すると発表した。馬が跳び越える2mの土壁を完全になくすなど大幅な改善策を実施する。平野直裕権宮司は22日の記者会見で「ちゅうちょなく改善し時代に合った神事にしていく」と話した。

 大社側は昨年10月以降、馬術の専門家や獣医師などによる第三者委員会を設け、馬の取り扱いなどを検討。訓練期間が1カ月と短い中で2mの土壁を越えさせようと、馬を興奮させるためにたたく威嚇行為につながったと指摘し、動物福祉に配慮した祭事にするため、壁の撤去が不可欠と結論付けた。

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