中四国選抜に6人選出 広島のジュニアチーム
氷の上を豪快に駆け抜けるフットワーク! パックを操るスティックさばき! リンクの上で華麗なプレーを見せるのは小学生です。
寒い地域で盛んと思われがちなアイスホッケーですが、広島でもがんばるジュニア選手たちがいます。
この日、小学生による練習試合が行なわれました。広島コレクターズジュニアチームには、園児から小学生まで20人が所属しています。
来月の全国大会に出場する中四国の選抜メンバーに高学年の部に3人、低学年の部に3人、チームから初めて6人が選ばれました。
中四国選抜 大本和親 選手(小5)
「アイスホッケー、楽しいです、6年半やっています。ずっと目標で代表になると去年から決めていた。意気込みは中四国選抜でも全国大会で点を決められるようにしたいです」
中四国選抜 キーパー 荒川陽太郎 選手(小5)
「負けず嫌いというか、最後まで粘るから、そういうところがなんか選ばれたのかな」
中四国選抜 重岡アレクサンドル 選手(小6)
「ぼくの得意技は、シュートとか、遠くからシュートを打つところですね。(実演しながら)こうやって振りかぶってロングシュート」
大人顔負けの激しさ! 小学生たちの「氷上の格闘技」
アイスホッケーは、1チーム6人でパックを相手ゴールに入れると得点になります。スケートでスピードが出て接触も激しいため「氷上の格闘技」と呼ばれています。
試合ともなると大人顔負けの激しさ。保護者の応援にも力が入ります。
保護者たち
「ハラハラします。スケートをしながらサッカーをしているみたいな器用なスポーツだし、頭を使うスポーツ」
「けがとか心配なこともありますけど、やっぱり難しいことが多いだけに、できたことの喜びは親としてはすごく見ていて、うれしいなと思います」
アレクサンドル君は、ディフェンスながらロングシュートを決めます。
キーパーの荒川君は、好セーブを連発。
ポイントゲッター・大本君は、4得点を挙げました。
監督からもゲキが飛びます。
広島コレクターズジュニア 越本直秀 監督
「自分がパックを取る前に周りを見て、取ったらどういうプレーができるかイメージすること、ドリブルで行くのがいいのか、パスするのがいいのか」
低学年の部の選抜メンバーもがんばりました。
中四国選抜 川本朝陽 選手(小3)
「代表に選ばれたから、選ばれてない人の分もがんばりたい」
中四国選抜 小田陽菜乃 選手(小3)
「もう少しパックに向かって走っていく」
中四国選抜 荒川晴次郞 選手(小2)
「走るのが少し遅かった。(全国大会に選ばれて)うれしい」
シュートは時速100キロ近く「たまに怖いけど止めに行く! それが仕事」
2月9日、平日の夕方、大きな荷物を持って子どもたちが集まってきます。週2回、こちらのアリーナで練習しています。
渕上沙紀 アナウンサー
「アイスホッケーで使っているのがパックですが、強化ゴムでできているのでかなり硬いです。硬式野球のボールくらい硬いです」
硬いパックから身を守るため、選手は防具を身につけます。
広島コレクターズジュニア 斎藤泰志 選手(小5)
― これをつけていると動きにくくない?
「いや、だいじょうぶです。関節とかはあまり防具がついていないので」
私服から、アイスホッケー戦士に変身です。
渕上沙紀 アナウンサー
「キーパーは相手のシュートも全身を使って止めるため、全てに防具をつけているんですね」
シュートは時速100キロ近くになるそうです。
広島コレクターズジュニア キーパー 荒川陽太郎 選手
「たまに怖いときはある」
― 怖いけど、止めに行く?
「はい。仕事だから」
小学校の制服から…まさに “機動戦士ガンダム” …。キーパーのコツは、自分の身体を大きく見せて相手にプレッシャーを与えるんだそうです。この姿を見て納得ですね。
渕上アナも体験 シュートを打ってみるも…
渕上沙紀 アナウンサー
「わたしも防具をつけてアイスホッケーに初挑戦です。いや、みんな動きやすいと言いますけど、初めてつけると動きにくいです。すいすい動いているみんながすごいなと思います。そして今回、教えてもらうのがヒナノちゃんです」
わたしの師匠役は代表メンバーにも選ばれた 小田陽菜乃 選手。アイスホッケーを始めて2年だそうです。まずは、パス練習です。
渕上沙紀 アナウンサー
「足下が氷なのでフラフラです。すごいね、ひなのちゃん、ドッシリ構えて。踏ん張れないんですよ。全然、足もとがフラフラで追いつかない」
続いて、シュートを見せてもらいます。わたしもチャレンジしたのですが…
あらためて、子どもたちの技術にびっくりです。
年間通して練習できる環境がなく… 有望選手を育てる苦労は
広島コレクターズアイスホッケークラブは、ことしで創立50年を迎えます。1989年に国体で8位入賞するなど強豪チームでした。
しかし、西白島にあった「ヒロシマアリーナ」が2003年に閉鎖されると、通年で練習できるリンクがなくなってしまいます。
現在、広島県内で屋内リンクは1か所で、時期も冬場の半年に限られます。有望選手を育てるには、周りのバックアップが必要です。
保護者 荒川祐子 さん
「広島は通年リンクがないので、半年間でどれだけみんながチームワークを作れるかっていうのがやっぱり1番難しいところかなと思う。あと、働いていらっしゃるお母さんとかお父さんだと送迎が大変なので、やっぱりそこであきらめちゃう方もいらっしゃいますね」
全国大会に代表6人を送り込む越本監督も、子どもたちの成長に期待しています。
広島コレクターズジュニア 越本直秀 監督
「(全国大会では)せっかくなんで、もっと広い世界を見てきてほしいなと思います。本場のホッケーではこんな個人で1人でがんばるようなことは絶対、通用しない世界なので、それを早く気がついて、そのプレーを地元に広げてほしいなと思います」
チームから朗報が届きました。今月、愛媛・松山市で開かれた「中四国小学生アイスホッケー大会」で10年ぶりに優勝しました。
全国大会は、高学年が来月26日~29日に軽井沢、低学年が来月23日~24日に横浜で開催されます。