自然豊かな場所に自衛隊の弾薬庫が…調査対象になったさつま町・中岳、地元住民には驚きと期待が入り混じる

弾薬庫整備に向けた適地調査が予定される中岳周辺=22日、さつま町永野

 防衛省が鹿児島県さつま町で検討する弾薬庫整備の適地調査について、中岳周辺で進める方針が示された22日、近隣住民らは驚きを持って受け止め、十分な説明を求める声が相次いだ。

 昨年12月、地元で突然浮上した整備方針。住民の関心は高まり、今年に入ってからは有志による弾薬庫について考える学習会も開催された。

 中岳に近い永野インターチェンジそばに住む南川公民会の池山義美会長(67)は「関心はあったが、まさか地元が調査地になるとは思ってもいなかった。安全性が気になる。防衛省や町には丁寧な説明を求めたい」と要望した。

 中津川地区は米どころとして知られ、田園風景が広がる。米森十一さん(80)は「自然豊かな場所にふさわしい施設とは思えず、驚きとともに不安を感じる。住民の声にしっかり耳を傾けてほしい」と話した。

 これまで町とともに自衛隊施設誘致に取り組んできたのが、町商工会を中心とする町防衛施設誘致推進協議会。山崎隆幹事長(55)は「施設整備に向けた準備が着実に進んでいることはありがたい。人口増や経済効果など地域活性化につながれば」と期待を込めた。

さつま町弾薬庫調査範囲のイメージ図
弾薬庫整備に伴う適地調査についてさつま町議会で説明する九州防衛局の遠藤敦志企画部長=22日、さつま町役場

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