大湯都史樹、修復なったマシンでドライ出走も1秒落ちの16番手「正直、ちょっと焦っています」

 今オフ注目のメーカー間移籍を果たした大湯都史樹。昨年のスーパーフォーミュラでは、幾度となく予選で光る速さを見せたものの、決勝では勝利につなげることができず、さらには怪我による欠場、最終ラウンドへの参戦断念なども重なり、大湯にとっては歯がゆい一年となった。

■昨年乗ったTGMのマシンとの違い

 2024年、VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGからSFに参戦する大湯は、すでに正式発表前の昨年12月の合同/ルーキーテストでもCERUMO・INGINGから出走しており、このときは最終セッションを5番手で終えるなど、移籍後最初のテストから好感触を得ていたように見えた。

 しかし一転、ウエットコンディションとなった2月21日のシーズン前公式合同テスト初日には、マシンを手懐けることに苦戦。午前のセッション中盤の雨量が増えたタイミングでは水に乗ってコースアウトを喫し、マシンに大きなダメージを負っていた。

 これにより初日午後のセッション2は走行できず、大湯はセミウエットで迎えた2日目午前のセッション3から、ようやく走行を再開。午後には完全ドライのセッション4で35周を走行したが、ベストタイムは1分37秒482と、首位からは1秒以上の差をつけられる16番手で開幕前最後の走行を終えた。

 セッション後、ミックスゾーンに現れた大湯の表情は曇りがちだった。

「走り出しから調子が悪かったゆえに、微調整が難しいというか……そのなかでいろいろとやったのですがやっぱりダメで、収穫がなかった1日になってしまったかなと思います」

 具体的なマシンの挙動を聞かれると、「今日は風が強かったと思いますが、まわりに比べると風が吹いているときの影響度が強いのではないかと自分の中では思います」と大湯。

「ダウンフォース、エアロで走るクルマなので、そこがちょっと足りていなかったのか……理由が分かれば苦労しないのですが。分かりやすく言うと、グリップはあるのですが、ダウンフォースで押さえつけることができていないクルマになってしまっていたんじゃないかと思います」

 2週間後に迫ったシーズン開幕に向けては、「正直、ちょっと焦っていますね……かなり」と心境を吐露した。

「ある程度今回のテストで実感が得られれば、メニューをしっかり組んで、ガラっと(セットアップを)変えて、ということができるのですが、これだけ調子が悪いなかでレースウイークに挑むのはなかなか厳しい。かなり“飛び級”しないと厳しいなというイメージです」

 昨年、ポールポジションをたびたび獲得していたTGM Grand Prixのマシンは「メカニカルグリップはなくとも、ダウンフォースで稼げていた」というが、現在のVERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは逆の状態のようで、「ダウンフォースが欲しいですね。とくに今日はそういうコンディションだったと感じています」と大湯は言う。

「結局バランス合わせなので難しいのですが、いまはメカニカルのグリップもあまり取れていないし、ダウンフォースに関してはより取れていない印象。(その結果全体的に)グリップがないという良くない状態なので……想像以上に厳しいですね」

2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

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